お粗末な防空訓練に不満続出(上)

「どこに逃げればいいの?」

 北朝鮮による延坪島砲撃を受け、15日に全国規模で実施された民間防空特別待避訓練はお粗末な面が多く、「『戦時』ではなく『展示』訓練では」と批判されている。政府は1975年の民間防空訓練「民防衛」開始以来初めて、国民を地下待避施設で誘導し、実際の状況同様に訓練すると言っていたが、きちんとした訓練が行われたのは都心部の一部や政府高官が見ている場所だけだった。

 訓練用空襲警報が発令された同日午後2時、京畿道安山市檀園区古桟洞にあるニュータウン一帯。立ち並ぶマンション団地の間からは空襲警報を告げるサイレンが遠くからかすかに聞こえた。よく聞こうとしなければ気付かないためか、住民らは訓練中にもかかわらず、街を歩き回っていた。安山市の民防衛担当者は「きょうサイレンを鳴らしてみたが、安山新都市には(サイレンを設置している)住民センターが少なく、よく聞こえなかった」と話す。

 訓練の時間に合わせ地下鉄3号線馬頭駅(京畿道高陽市一山東区)に待避したというキム・ヨンヒさん(47)も、お粗末な訓練に怒りをあらわにした。キムさんは「待避場所で誘導をすべき公務員が一人もいなかったし、ラジオ放送もなかった。20分間も何もできずに立ったままで、『何をしにここまで来たのだろう』と嫌な気分になって帰ってきた」と語った。

非常事態を想定した初の民間防空特別待避訓練が実施された15日午後、ソウル地下鉄2号線アヒョン駅ホームで待避訓練をするアヒョン中学校の生徒たち。/写真=蔡承雨(チェ・スンウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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