内容紹介
2010年11月16日、日本中が大きな歓声に包まれました。
「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰ったとされるサンプルが、
イトカワのものである=地球外のものであることがわかったからです。
探査機が月より遠い天体に着陸し、天体上の粒子を地球に持ち帰ったのは
世界初の偉業です。
その偉業を成し遂げたのは、未知なるものへの探求に深い情熱を傾けた日本の科学者たちと、
世界に誇る技術力を持った日本の職人たちの働きだったのです。
この小さな小惑星探査機は、約7年かけて往復およそ60億キロの旅を続け、
最後には大気圏で燃え尽きてしまいました。
その「機体は滅びても、サンプルの入ったカプセルは無事地球に届けた」
という犠牲的精神は、多くの日本人の心を打ちました。
確かに「はやぶさ」は機械かも知れません。
でもその中には「心」があったとしか思えないのです。
本作は、「はやぶさ」を一連のエピソードを通じて「心を持った機械」として描き、
またビジュアルとして新進気鋭のCG作家・ハイロン氏にデザインを依頼、
読者対象である子供たちにとって、親しみすくなるようなキャラクターを作成しました。
ともすればついつい忘れそうになってしまう「日本人としての誇り」を、
この童話を通じて子供たちだけでなく、大人の皆さんにも少しでも伝えられたらと願います。
著者について
【著者】今泉 耕介(いまいずみ こうすけ)
北海道生まれ。大学卒業後、オーディオ専門誌、健康雑誌などの編集を手がける。現在、フリーライター、編集者として、広く出版関係の仕事に従事。とくに子どもの教育問題、動物と人との心の触れあいに目を向けている。埼玉県入間郡三芳町在住。趣味はキャンプ、釣りなどアウトドア。
主な著書に『おてんば盲動犬モア』『学校犬クロの一生』『空から降ってきた猫のソラ』『前足だけの白い猫マイ』『アイヌ犬コロとクロ』『お帰り!盲導犬オリバー』『帰ってきた「はやぶさ」』(ハート出版)などがある。
【画家】CYBERFACTORY-H HiRON(ハイロン)
東京都出身。イラストレーター。メカニカルなものからキャラクターものまでのイラストレーションを制作。デジタルイメージ会員、新潟デザイン専門学校デジタル非常勤講師。東京デザイナー学院イラストレーション非常勤講師。