鹿児島市で09年、高齢夫婦を殺害したとして強盗殺人罪などに問われ、鹿児島地裁の裁判員裁判で10日に無罪判決を受けた無職、白浜政広さん(71)は11日、判決から一夜明けた心境を「非常にうれしくてすがすがしい気持ち」と語った。
09年6月に逮捕され、一貫して無罪を主張した白浜さん。死刑求刑を受けたが、一般市民の裁判員が参加した裁判員裁判の判決で無罪と判断された。10日午後、約1年半ぶりに姉と暮らしていた鹿児島市内の自宅に戻っていた。
白浜さんは「昨日はとても良く眠れた。やはり拘置所とは眠りの深さが違う」と笑顔。今朝は姉が作ったご飯とみそ汁をたいらげ「とてもおいしかった」という。
白浜さんは裁判で「被害者の家に行ったことはない」と主張した。判決は、検察側が示した証拠だけでは有罪にできないと結論付けたが、白浜さんの証言自体は「うそ」と認定した。この点について白浜さんは「今はとやかく言う時期ではない。検察側が控訴すれば、その時にまた反論する」と述べた。【黒澤敬太郎】
毎日新聞 2010年12月11日 西部夕刊