2010年12月15日19時15分
過激な性描写のある漫画などを子どもに売らないよう規制する、東京都の青少年健全育成条例改正案は15日、都議会本会議で可決、成立した。自民、公明両党のほか、6月議会で前回案に反対した民主党も賛成。共産党と生活者ネットワーク・みらいは反対した。「表現の自由を侵す恐れがある」との批判を受け、慎重な運用を求める付帯決議が付けられた。新たな規制は来年7月に本格施行される。
改正案は、強姦(ごうかん)など法に触れる性行為や近親相姦を「不当に賛美・誇張」した漫画などを18歳未満に売れないようにするとしている。
可決を受け、日本雑誌協会など出版業界4団体でつくる出版倫理協議会は、「まともな議論もなく可決に至らせた行為は暴挙」と抗議する声明を発表した。「漫画・アニメの制作現場に混乱と不安が広がっている。今後も断固とした反対の姿勢を貫く」と訴えている。
一方、石原慎太郎知事は都議会終了後、報道陣に「(可決は)当たり前。日本人の良識だ」と述べた。大手出版社が来春の東京国際アニメフェア(実行委員長・石原知事)への参加拒否を表明していることには、「これ(条例改正)を理由に来ないなら来なくて結構だ。来る連中だけでやります」と話した。