アポロ計画が終わった時、NASAにいた人材がウォール街に職を求めた。
それから金融工学が進歩したと聞いたことがある。
この金融工学って、広い意味があると思うが、何年も前にNHKの番組で取り上げられていたウォール街のあるシステムを思い出す。
経済の動きが大きく変動すると分かるとアラームが鳴り出すシーンが画面に映し出されていた。
アメリカの一人の若い投資家が番組のインタビューに答えている。
その投資家は、自分でシステムを開発して、そのシステムが稼働するパソコンが部屋中に何台も並んでいる。
その番組を見たのは、10年以上前だったか、システム開発の技術者になりたての新入社員の頃だったかな。
コンピュータがアラームを鳴らすシーンを見ながら、いくら技術が進歩したと言われても、それは少し無理があるのではないかと思った
ただ、おもしろい試みだから
興味もあって
真剣に見ていた。
もしかすると、人工知能に近いシステムではないかと想像もしてみた。
でも、金融工学理論に基づいて、複雑な数式によって導かれると、TV画面には唖然とするほど細かい数式が映し出されている
たとえ完全な人工知能であっても、リスクをゼロにすることは可能か
と考えると、やっぱり無理だろうと思った
なぜなら金融商品の先に人が絡んでいて、マネーは世界中を流れて、経済は生き物のように動いていると信じていたから。
経済を専門に学んでないので、若干間違っているかもしれないが、直感ではあるが疑問として頭の隅に置いておいた。
リーマンショックが世界で騒がれてはじめ少し経ってから、一人の経済評論家が、何年も前に私が疑問視していたこととまったく同じことをTV討論で述べていた。
あの時に直感で疑問に思っていたことは、実は間違ってはいなかったと実感した。
その頃、私はサラリーマンから独立してITシステムの開発会社の社長になっていたから、朝礼で全社員を前に持ち続けていた疑問を話題に出した。
違和感のあるものは、どこかで破たんすると思った方が良いだろう、だから、私たちはバブルに踊らされないで、これからも地道でも真面目に物づくりに励んで行こうと伝えた。
その時、頭の隅にあった疑問が薄らいでいく、何となくすっきりした気分を覚えている。
続きは、明日に。