松井が初めて買ったメジャーの帽子は憧れのＡ’ｓ

　エンゼルスをＦＡとなった松井秀喜外野手（３６）のアスレチックス入りが、決定的となった。１４日（日本時間１５日）に、入団会見が行われる予定だ。１年契約で年俸は約５００万ドル（４億２０００万円）とみられる。１１日に正式なオファーを受け、本格的に交渉がスタート。これまで複数の球団が獲得に興味を示していたが、松井は「全試合出場の確約」「４番手形」など最も熱心だったア軍のオファーに、応える意思を固めた。

　松井が初めて買ったメジャーの帽子はＡ’ｓの文字のアスレチックスだったという。彼が中学から高校にかけて、つまり８８年から９０年にア・リーグを３連覇していたのがア軍だった。

　当時のメジャーファンにも強烈な印象を残している。８８、９０年の優勝決定シリーズは、剛腕ロジャー・クレメンスを擁するレッドソックスが相手だった。両年のシリーズで通算３５４勝投手は３度先発したが、すべて打ち込まれ途中降板の憂き目にあっている。そのア軍強力打線の中心が、８７年に新人ながら本塁打王に輝いたマーク・マグワイア一塁手。そして、８８年に、史上初の４０本塁打＆４０盗塁をマークしたホセ・カンセコ外野手の大砲コンビ“バッシュ・ブラザーズ”だった。

　本塁打を打った後、２人が本塁上で互いの腕をぶつけ合う「バッシュ」は当時のスラッガーの儀式の定番にもなった。後に２人そろってステロイド使用を告白。輝かしいキャリアを自ら汚す結果になった。だが、あの「バット一閃、打球はスタンドへ…」の映像が、松井に長距離打者への道を歩ませたのも、紛れもない事実だ。