今後は鹿島や大成を中心に、業績への影響が避けられまい。アルジェリアの延期が響き、10年度中に数百億円の工事損失引当金を積む、との観測が根強い。それでも最終見通しを変えないのは、不動産売却で益出しをすると同時に、海外関連のウミを一気に出す公算が高いからだ。
前期には鹿島や大林組がドバイの鉄道工事で赤字が表面化。同じドバイの建築工事で失敗した大成や清水建設を含め、日本のゼネコンが海外で“大火傷”をする大型案件が後を絶たない。中東・北アフリカで展開する日揮など、エンジニアリング会社が現地で損失を被った話は、近年聞かない。違いは単に交渉力に起因するだけなのか。アルジェリアの一件は経営体質を洗い直す奇禍とすべきであり、鹿島経営陣の「責任論」に発展する事態も想定される。
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(古庄英一 =週刊東洋経済2010年12月11日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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