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アルジェリアの高速道路建設が頓挫、鹿島が被る巨額損失(1) - 10/12/15 | 12:13

 鹿島など日本の大手ゼネコンが、新たに数百億円規模という、巨額損失計上のリスクにさらされている。北アフリカの資源国、アルジェリアの東西を横断する高速道路建設をめぐる、発注者との契約トラブルが原因だ。

 工事は2006年10月に着工。完成は当初、今年2月のはずだった。いったん8月22日に延長したものの、それも間に合わず、発注者であるアルジェリア高速道路公団との交渉に入っている。共同企業体スポンサーの鹿島によると、工期の延伸や工事の追加変更、遅延するアルジェリア側の支払いをどう促進するか、などが焦点だ。「早く決着するに越したことはないが簡単ではない」(鹿島幹部)。

 そもそもアルジェリアの高速道路とは、日本のゼネコンが海外で受注した過去最大金額のプロジェクトだ。約3410億ディナールは円換算で5400億円にも上った。日本側が担当する東工区は全長399キロメートルに及ぶ。共同企業体は5社で、推定出資比率は
鹿島と大成建設が各37・5%で、ともに筆頭である。

 工事は現状、引き渡した半分を含めて7割が完成。「残り3割の完成は11年中に可能」という声もあるが、楽観的だろう。鹿島が相手するのはしたたかな交渉術を身につけた政府幹部。「撤退をちらつかせるにしても、未完成部分を仕上げないと、取りっぱぐれのリスクが大きすぎる」(市場関係者)。交渉の駆け引きは容易ではない。

赤字回避の決算対策

 ここまで工期が延び、追加損失が発生しそうな要因は、治安悪化や商慣習の違いのほか、鹿島自身の判断の甘さがある。現地は地盤がもろく、得意の耐震性に優れたハイテク施工は役立たなかった。トンネルだけで14本あるのに、「事前に詳細な地質調査をせず乗り込んだから驚きだ」(道路会社幹部)。

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