■書簡 その141 枇杷葉湯
この時期になると、江戸の風物詩、枇杷葉湯売りのことを思う。
昔、渡辺安孝さんという、新国劇の番頭さんがいて「江戸の物売りの声は八百ある」といい、色々聞かせてもらったが
枇杷葉湯売りの売り声は聞いたことがない。
それが残念だと思いながら、津久井の友人宅に、枇杷の葉を採りに行く。夏バテ予防に即効性があり、胃腸の働きを活発にするといわれ、
この時期たまに飲むのだが自分で作った事はない。今年は挑戦してみることにした。
注意することは、若い葉は毒性が強いので、必ず古葉を採ること。
水洗いして、裏表を丁寧に水気を取って、カラカラに乾かして細かく刻み、お茶と同じように焼湯に入れて飲む。オレンジ色の液体は美しい。
効果が強いので、一日三杯以上は飲まないこと。沢山もって帰り、早速水洗いを始めたが、採り過ぎて、腰が痛くなった。
手作りは本当に大変。買った方がよかったとグチリながら、なんとか干しにかかる。乾けばできあがりだ。
■書簡 その142 産卵ラッシュ
プルケール(熱帯魚)が三年ぶりに産卵。家に来て7〜8年・三代目のプルケール。
一時は100匹くらいいたのだが、友達にあげたりイジメにあったり、三年前くらいから一組だけになっていたプルケール。
もう老齢でだめだと思いながら、春先に水槽を変えて気分転換を図ってみたら産卵したのだ。
この間から様子がおかしいと思っていたが卵が見つからないので、まさかと思っていたら、今日になって稚魚がいっぱい。
100匹以上はいる。現在家にいる親は選別して特に美しい奴なので、どんな子供ができるか楽しみが増えた。
趣味と雑用で忙しいが、来週からは本業が入る。
夏バテに注意しなければ。本業についてはまた・・。
■書簡 その143 家族が増えた
4月にドッキングさせたザリガニが三ヶ月近くたって、今日孵化を始めた。
三組のドッキングを試みたが、一組はどうしても気が合わない。二組が成功したが、一匹はいまだに卵を持っていない。
一匹が先月の中ごろ卵を持ったのを確認して楽しみにしているが今日、30匹くらいが、親の周りで遊んでいるのを見つけた。
最終的には100匹を越えるだろう。ブルー系のザリガニなので、どんな奴が出てくるか楽しみだ。
■書簡 その144 手筒花火
大きな筒を抱えて打ち上げる手筒花火。底が抜ける(打ち上げた最後に底からも火を吹く)のが遠州側で、抜けないのが三河側だそうだ。
危険なので遠くから見物するのが普通だが、唯一近くで火の粉を浴びながら見物できるのが三ヶ日町・浜名惣社神明宮の手筒花火だ。
毎年八月の第一土曜日、今年は八月六日だ。
三年程前に初めて見学。真っ暗な中、目の前で7mくらいの火柱が立つ。
筒を抱えた人は火の粉を浴び、見物人の頭上にも火の粉が降ってくる。ビックリする光景だ。
あの興奮をもう一度味わいたいと思っているのだが、今年も仕事の予定が入っているので行けそうもない。来年は行きたい。
■書簡 その145 書簡集再開
どうにか年内に再開することができました。休み中、イロイロなことがありました。どんどん綴るつもりです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。年明けから津々浦々も再開します。
■書簡 その146 きらず
言わずと知れた「おから」の事だ。僕の住んでいる処には、毎週火曜と木曜に、府中市の豆腐屋さんがラッパを吹いて回ってくる。
謹厳実直な親父は、何丁も買おうとする客に「ウチの豆腐は昔ながらの手作りで防腐剤を使っていないので長持ちはしないので
たくさん買わないで下さい」などと言う。そんなところが好きで親しくしているのだが、ある日のこと「おから茶って知ってますか?」と聞かれた。
「話には聞いています」と答えるとうちの田舎(新潟)では、腸の油を落とすといって昔から飲んでいるが香ばしくておいしいですよ、と言う。
作り方は、水分が飛ぶまで空煎りするだけ。後はお茶と同じように飲めば良いそうだ。
ただし、煎るのに時間がかかるし大変で、今はあまり作る人がいなくなったとのこと。
それでも身体に良くて美味と聞けば、見過ごしにはできない。おからはタダだと、ごっぞり持って来てくれた物を鉄鍋で煎る。
量が多かったのか、コンガリ色付いてサラサラになるまで小一時間。付きっ切りで掻き回して手首が痛くなる。なるほど、こいつは大変だ。
早速、お茶を入れる要領で出して飲んでみると、味わいのある旨さだ。
続ければ体調によく、スリムになれるなら、一石三鳥、せっかく作ったんだし、続けてみよう。
■書簡 その147 きらず・その2
残ったおからがもったいないから、洋風に炊いてみる、とカミさんが作った煮物があまりに美味なので紹介します。
固形のコンソメを、おからと同量くらいの水でスープを作ります。冷凍食品のベジタブル(ニンジンや豆を細かく刻んだ、あれ)。
量はすべて適当。おからとスープを鍋に入れて、コトコト煮る。
グツグツときたらベジタブルを入れて塩で味付けをして、さらに、とろけるチーズと、とき玉子を加え、掻き回したら出来上がり。
おからとは思えない洋風の一品です。作った本人もビックリ
■書簡 その148 きらず・・・追伸
洋風おからの話をカミさんにしたら、「荒挽きソーセージの刻んだのを入れないと味が出ない」と叱られた。
ベジタブルを入れる時に、ソーセージの刻んだものを入れる(ハムやベーコンでも可)事を書き忘れました。
ごめんなさい。
■書簡 その149 火事と貧乏
今、天災で一番怖いものは?といえば誰もが「地震」と答えるでしょう。
では、江戸時代は、というと一番は「火事」。いったん火が点くと消すのは不可能。
龍吐水(リュウドスイ)というポンプがあるのですが、とても火の勢いには適いません。そこで風下の家を壊すわけです。
そのため町家は、常に壊し易いように作られているんです。決して貧乏だからではなく、自衛のための掘っ立て小屋だったんです。
ただ火事が頻繁におこるため、小銭が貯まる頃には焼け出される。その繰り返し。だから江戸の市民は年中、金欠病。
江戸の三大病の一つです。
■書簡 その150 火の用心
テレビを観ていたら、地方の子供たちが数人で「マッチ一本火事の元!」と声を出して回っている姿が映し出されていた。
いや〜懐かしいものを見た。僕も子供の頃、赤坂の氷川町で育ったのですが町内の子供と集まって、拍子木を打ちながら寒い中、
手袋をして白い息を吐きながら「マッチ一本火事の元」と回ったものです。
隣の仲ノ町でも福吉町でも子供たちが集まって回っていました。時には、とっくみあいの喧嘩をしたり、
でもすぐに仲良くなっていろんな遊びをしました。(ベーゴマ・ビーダマ・メンコ・カン蹴り・竹馬等々)。
仲間が出来、連帯感が生まれ、助け合う事を覚え・・・昨今の弱いものイジメや、陰湿な事件はほとんどありませんでした。
未来を担う子供たちを守るのは大変なことです。彼らが自衛する気持ちと仲間を労わる心を学ぶ遊び。友達と遊ぶ事を奨めたい。ゲームじゃないよ。
■書簡 その151 知ってました?
上野の山のシンボル「西郷さん」の銅像。
子供の頃、誰かが「西郷さんの仏像ねぇ」と言う。「銅像」と言い直すとコツンと頭を殴られた。
今でも思い出すと笑ってしまいます。
そんな皆に親しまれた西郷さんの銅像ですが、連れている犬の名前、知ってました?
僕は知りませんでした。先日、人に聴いて「へぇ〜・・・」
飼い犬だから、名前があるのは当たり前なのに・・・「ハ・ハ・ハ・ハ〜」
「つん」という名前だそうです。
■書簡 その152 柚子釜
町田の友人宅から「柚子」をごっそりもらって来たら、
ちょうどテレビで柚子農家の人が、柚子の中をくりぬいて、そこに味噌を入れ火に掛けると、風味のある柚子味噌ができる、
と紹介していたので早速やってみた。
味噌に柚子の絞り汁・ゴマ・砂糖で好みの味付けをすれば良いとのこと。
鬼グルミで味噌を作ったところなので、それに柚子の絞り汁を加えて、火に掛けた。
味噌を沢山いれると吹き零れるというので、中身は半分くらい。グツグツいいだしたら出来上がり。これがなんとも美味である。
すべて適量でOK!ご飯に合うし、つまみにもなる。
冬のレパートリーがまた一つ増えた。
■書簡 その153 性分
せかせかするのが好きなんです。のんびりしようと思う事もあるんです。
風呂に入る時など、今日はゆっくり入るぞ、と思うんですが、浸ったと思ったら、もう上がってるんです。性分ですかねぇ・・・。
それでも最近までは、自分のことだけでよかったんです。
近頃は街で横に並んでのんびり歩いている奴を見るとイライラするんです。
年を重ねると、おおらかになるもんだと思っていたんですが依怙地にもなるんですかねぇ。
いやですねぇ。
■書簡 その154 1211(胃にいい)日
捜し物をしていたらメモが出てきました。
何時書いたのか、なにから写したのか、テレビを観ていて速記したのか、覚えがない。
でも、面白いので、紹介します。
・・・メモ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ストレス・男は胃に来るが女は脳に来る。解消にいいのは、男はカラオケ。潰瘍を改善する。
女性にはコーヒーの香が右脳を刺激してリッラクス効果があり、夕方飲むのが効果的。
ストレス肥りは、男性は糖尿病になりやすく、女はガンになりやすくなる。
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今日は胃に良い日だそうで、こんなメモが今日見つかるのも面白い。
ちなみに、常に気をつけることは、男は塩分を控え、女は排出を心がけることだそうです。
■書簡 その155 大勝館
下町かぶき組の芝居を観てきた。大衆演劇は、毎日、日替わりなので大変だ。
演じるほうも手馴れたもの、初役のもので、出来が違うだろう。
 観るほうも良いときに当たったりそうでないときに当たったりするわけだが、観るときは楽しんだ方が得だ。
■書簡 その156 忠臣蔵
今年は12月に入って忠臣蔵関係の番組が一本しかなかったと思う。ドラマ・映画にいたっては、なし。
僕の記憶では、こんな年は初めてのように思う。
時代は変わっても永い間日本人に愛されてきた話がだんだん忘れられていくのは寂しい気がする。
今日、12月14日・赤穂浪士が吉良邸に討ち入った日。
元禄15年12月14日は西暦1702年12月14日の記念法が社会通念だが、
明治5年12月3日を、明治6年1月1日と、太陽歴を採用したため、狂いが生じているそうだ。
ちなみに西暦1702年12月14日は元禄15年10月26日。元禄15年12月14日は西暦1703年1月30日にあたるそうだ。
すると元禄15年12月14日寅の刻に討ち入るとあるのは、1月31日の午前4時ということになる。
以前読んだ歴史読本の別冊にこんなことが載っていました。討ち入りの日は俺の誕生日だと思って覚えていました。
赤穂浪士一人一人の思い。ずーっと伝えてほしい出来事だと思います。
■書簡 その157 吹き替え 
「イン・ハー・シューズ」という映画の、ノーマン・ロイドの吹き替えをする。
久しぶりの吹き替えと、子供の頃によく見た俳優の声というので、チョット緊張。ワクワクドキドキした。楽しかった。
当時活躍したシャーリー・マクレーンが、おばあさんで出てきたのも懐かしかった。
彼女は僕らと同世代だと思うのだが、おばあさんだった。(俺もじいさんか?)
ノーマン・ロイドさんは90歳を過ぎて現在も、すこぶるお元気だそうだ。あやかりたい。
■書簡 その158 あけましておめでとうございます
私の勝手なつぶやきを、毎日、何十人もの方々に観て頂いていると思うと、力が入ります。
今年もいろんな事に興味を持って、野次馬精神を維持。自分が楽しみながら綴り続けます。
皆様の情報も、掲示板の方に書き込み、よろしくお願い申し上げます。質問も歓迎です。
■書簡 その159 寒の入り
今日から節分までの間が、寒の内(寒中)。最も寒いといわれる大寒は15日後。今年の寒さはどうなってるんですかねぇ。
暖冬が続いて、地球温暖化などと言われ、暖かい冬に馴れた身には染みわたる冷気です。(年のせいかも)
それでも子供の頃、校庭の水溜りが凍って、そこでスケート遊びをしたことを思い出して(東京で、ですぞ)チョッピリ温かい気持ちになりました。
近頃、手袋をしている人を見かけませんでしたが、今年はちらほら見かけます。正直なもんですねぇ。
防寒怠りなく、風邪にはくれぐれも気をつけましょう。
■書簡 その160 でべら
瀬戸内名物で、小さなカレエをカラカラに干した物で、
槌で骨を砕いてから焼いて食べると独特の風味で、
スルメの様に噛めば噛むほど旨味が増してくる、たまらない一品。
僕が新国劇で辰巳先生の書生をしていた時だから40数年前に尾道で食べて以来の好物だが、
久しく口にする事がなかった。
暮れに知人に送っていただいて、早速食したのだが旨味だけでなく
いろんな事が思い出されて懐かしいひと時を過ごした。
しかし40数年間、でべら ではなく でびら だと思い込んでいたのは迂闊だった。
思い込みとは、こんなものですかねぇ。