■書簡 その101 大道芸
多摩センターのパルテノン通りで大道芸のフェスティバルがあると聞いて出かけてみる。気の毒なことに今年一番の冷え込み。
人影もまばらで寒そう・・・。芸人の方々も乗れないのか、いまいち。それでも一時間ほどいたが、冷え切って帰ってくる。
屋外の催しは天候だけでなく季節も選ばなければ・・・。
■書簡 その102 葱専門店
先日、国立まで散歩に出かけた。
駅前の大通りの両側には新旧織り交ざった面白い店が並んでいる。最近は路地に入っても楽しい。
そんな中で変わった店を見つけた。葱料理を専門に出す居酒屋だ。珍しいのでランチタイムに入ってみた。
落ち着いた感じの店内、カウンターの前には焼酎のビンがズラーっと並んでいる。
夜は葱料理のコース等がメインだが昼は何種類かの定食のみ。カミさんと別々の物を頼んでみた。
今度は夜のコースで来てみたい店だ。駅から2分以内の所にあるので興味がある方は探してください。
■書簡 その103 啓蟄
今年は寒いのでまだだ、と思っていた庭のヒキガエル君の一匹が、昨日・今日の暖かさにつられたのか姿を現した。
我が家の庭には5年ほど前から4匹のアズマヒキガエルがいるはずである。
梅雨時の町中(中野、赤坂など)で捕まえて庭に放したのがうまく住み着いた奴である。
それに4年前に鉢で卵からおたまじゃくし、そしてカエルに孵ったのが、今年は何匹か現れると思うのだが(100匹ほど孵ったので
きっと生き残った奴がいるはず)。毎年、産卵期の春先にスイレンや水草の鉢に卵を産みに集まるのだが
時々、道路に出るので車に轢かれないかと心配になるが、春先の楽しみの一つである。
特に今年は、家から旅立った子蛙が、産卵に戻ってくるのでは?とワクワクしている。次の雨の日が集合日かな?
■書簡 その104 府中郷土の森
広大な敷地の中に、博物館、プラネタリウム(別料金)古民家園があり、四季の花々が咲く、市民の憩いの場である。
これで入園料200円は、安い。だから、いっつも人がいっぱい。そんな府中郷土の森で梅祭りをやっているので出かける。
平日なので野立てこそ無かったが、売店はどこも人でいっぱい。梅の香もいっぱい。こんな施設が全国に増えるといいなぁ。
■書簡 その105 片岡鶴太郎さんの個展
池袋の三越に鶴太郎さんの個展を観に行く。10周年記念だそうだが、凄い人気。
僕もファンの一人として初回から何回も観せてもらっているが、本当に素敵。今回は作風が優しくなったような気がする。
欲がなくなってきたのか、色気から卒業したのか・・・勝手にそんな事を思いながら十分楽しませてもらった。
これからも、もっともっと楽しませてください。
■書簡 その106 水溜り
カエルの話をしていたら子どもの頃の事を思い出した。
僕の育った港区赤坂でも、道路は凸凹のジャリ道で雨が降ると大きな水溜りができる。そんな水溜りにアメンボが居てピョンピョン跳ねている。
学校帰り、それを追っかけるようにこちらは水を避け飛んでいくとアメンボがパッと散る。
大きな水溜りにはヒキガエルの卵がトグロを巻いていることがある。道が乾けば死んでしまうのでバケツに採って近くの池に放してやる。
赤坂に池?と思われる方もあるだろうが、あるんですよ。山王神社には湧水の池があった。(現在はどうかな)
タナゴを釣った覚えもある。弁慶橋のお堀ではクチボソ釣りをする人達が大勢いた。
氷川小学校のプールは、プール開きまでは水生昆虫の宝庫だった。
アメンボ、ミズスマシ、ミズカマキリ、ゲンゴロウ、コオイムシ、ザリガニやカエル、その他大勢。
氷川神社の森にはカブトムシ、クワガタ、タマムシ、トカゲ、カナヘビ、アオダイショウやシマヘビ、イタチが走っている事だってあったんです。
現在のTBSのあるところは演習場の跡で金網をくぐって中に入り、草ッ原でキリギリスやコオロギ、カネタタキ、クサヒバリ、ウマオイなどの
秋の鳴く虫を捕りにいったものだ。
今では、想像することすら難しい風景ですよね。あの頃は赤坂がこんなに変わってしまうなんて思ってもみませんでした。
赤坂に3つの小学校があり、合わせれば5〜600人の同級生がいたのに、現在同じ場所に住んでいるのは、ほんの数人になってしまった。
遠い昔の物語だね。
■書簡 その107 今、大衆演劇が面白い
三峰逹に曳かれて浅草に大衆演劇を観に行く。大勝館は「劇団大川」公演。木馬館は「劇団荒城」公演。
せっかくだから両方観る事にする。双方、九州の劇団。九州は大衆演劇のメッカだ。若い座長達がツボを心得た舞台で観客を喜ばせている。
世代交代で若手が必死に頑張っている姿は好ましい。観客も、くいいるように観ている。こんな光景も劇場ならでは。男性客が多いのも目をひいた。
昔の新国劇も男性客でいっぱいだったなぁ。その新国劇の流れをくむ「劇団若獅子」が4月15.16.17日に浅草公会堂で公演を行う。
出し物は「月形半平太」。師匠、辰巳柳太郎の当たり役を笠原章が演じる。こちらも大入りだといいなぁ。
■書簡 その108 踏み切り
遮断機が上がった。渡ろうとした女性二人が電車にはねられて死亡。東武竹ノ塚の踏み切りで起こった事故である。
記事によると「開かずの踏み切り」なので人の判断で、少しでも渡れる様にするために手動で遮断機を動かしていたのだという。
そして驚いたのは、こんな手動の遮断機が首都圏になんと59箇所も残っているというのだ。
近年「開かずの踏み切り」は問題になっているが、高架にするための工事はなかなか進まない。
世の中は確実に進んでいる・・・・歪に 記事は人為的ミスによるものだろうと書かれている。今度の事故に遭われた方は気の毒に思うが、
起こした方の人も気の毒に思うのはなぜだろう。
2月9日に大阪から京都に帰る途中、JRの電車に乗車中、前の電車が踏み切りで人身事故。
満員で熱く息苦しいくらいの中で立ちっぱなし2時間カンヅメ。こんな中で病人が出たらどうなるのかという状況。
車内放送は警察の現場検証が行われています、と繰り返すばかり。クタクタになってホテルに帰ったのを思い出した。
■書簡 その109 もったいない
ためこんだ大量のビデオテープが傷んだのでDVDにダビングを始めたら、他の事がなにもできなくなってしまった。
ダビングが終わったらテープは処分することになる。新しいものが出てきて、古いものは捨てられる。もったいない話だ。
物の無い時代に育った僕はどーも物を捨てられない。食べ物などでも、もったいないので、つい食べてしまう。本当はケチなのかもしれない。
それでもいい。だって僕に「もったいない」という事を教えてくれた人達は「もの」の大切さも教えてくれたから。一粒のお米にも・・・
■書簡 その110 桜前線
昨日3月31日、東京でも桜(ソメイヨシノ)の開花宣言が出された。平年より三日遅れ、昨年より十三日遅い開花だ。
忙しくなりそうだが。調子はイマイチ。そんなに酷くはないが花粉症で集中力がない。
我が家のヒキガエル君の報告と思ったが後回しにして、桜のうんちくをちょっと。
お花見の歴史は古いが、盛んになったのは江戸期「暴れん坊将軍・吉宗」の時代からです。江戸の主な桜の名所は五ヶ所。
上野寛永寺・飛鳥山・墨田堤・品川御殿山・小金井堤。上野の寛永寺以外は四ヶ所とも吉宗が植えさせたもの。
当時の観桜はヤマザクラが主流でした。上野寛永寺の桜は天海僧正が植えた吉野山の桜。
江戸時代の後期になって駒込は染井村でオオシマザクラとエドヒガンの交配によって作り出されたヨシノザクラが
上野野山に植えられるが明治になって吉野山の桜と紛らわしいというのでソメイヨシノと改名されました。
■書簡 その111 無題
新宿紀伊国屋サザンホールへ芝居を観に行く。「雨宮一彦の消滅」。小劇場で人気のある唐橋充松本まりか等、
若者達の芝居に原田大二郎が出演するので見に来いという。
芝居中にクシャミがでたら失礼と思い、花粉症の薬を飲んでいったら、眠くなって困った。
(芝居の所為じゃない)それにしても大ちゃん、セリフを覚えるだけでも大変だったろうと思うほどしゃべっている。
若者達のテンポと自然さは相当の稽古を積んだのだろう。お疲れ様です。因みに、満席でした
■書簡 その112 アズマヒキガエル
先月の17日、雨が降って庭のアズマヒキガエル君がでてきた。しかし雄が二匹だけ。4,5日鳴いていたが、なぜかこの二匹だけ。
注意して見ていたが、他には出てこない。雄の姿が見えなくなった。27日になって雄が一匹だけ出てきた。
水盆の近くに移して雄を待ったが、それっきり。30日からは雄の姿も見えなくなった。
次の雨で姿を見せなければ、今年は産卵はなし・・ということになりそうだ。
■書簡 その113 ソメイヨシノ
全国に植えられた桜の80%はソメイヨシノだそうだ。樹の寿命は90年くらい。長いもので120年位と聞く。
古い名所では世代交代が行われているようだが枯れていく古木も目に付く。樹齢2000年のエドヒガンが咲くなかあまりにも短い寿命だ。
交雑品種は種ができないので強いというが寿命は短い。不思議なことだ。
江戸時代に作り出された園芸品種も多くが絶種したときく
。残念でならない。各地で保存が行われているが京都北野の平野神社では、あまり広くない境内でまとめて40種以上の古典品種を見ることが出来る。
機会があればぜひオススメです。
■書簡 その114 月形半平太
劇団若獅子の芝居を観に行く。極付「月形半平太」の通し狂言。久しぶりに通しを見た。
元々この芝居は人間関係が複雑で解りにくく、僕はあまり好きではないが、名場面が沢山あるのでこの話を知らない人は見てください。
代表の笠原章が、師匠譲りの月形半平太でガンバッテいます。15日16日17日・浅草公会堂で公演があります。
■書簡 その115 石戸の蒲桜
起き抜けに埼玉県北本市の日本五大桜の一つに数えられる石戸の蒲桜を観に走る。満開!。
狭い境内には他の桜に交じって大きな古木が花いっぱいに咲かせている。説明より写真をどうぞ。
日本五大桜=三春の滝桜・山梨県実相寺の神代桜・静岡県狩宿の下馬桜・岐阜県根尾谷の淡墨桜・石戸の蒲桜。

帰り道、坂戸に回って、慈眼寺の枝垂桜を観る。一足遅かったか盛りは過ぎていたが京都円山公園の祇園の枝垂桜を思わせる素敵なものだった。
途中、道しるべに教えられた、台湾のお寺。実は中国のお宮だそうだが、畑のある住宅街に突然現れた派手な姿にビックリ!
正式には聖天宮というそうです。
石戸の蒲桜 聖天宮
■書簡 その116 新田純一と仲間公演
京橋のマコトシアターでの公演を観に行く。大衆演劇の作りで客席と一体となって皆さん楽しんでいた。芝居は大衆演劇の「地蔵の政吉」。
クチダテの芝居は劇団によって話が少しづつ違っている。永い間にはまったく違った芝居になったりするのも大衆演劇の面白さ。次回が楽しみ。
■書簡 その117 タンポポ 
昨年の春、たんぽぽの話をしたとき、今年の為に小さい葉を2.3枚残して根を鉢に入るように切り詰めて
植え付け た物だが、こんな可愛い鉢植えができました。
土を選ばず、水ぎれさえさせなければ肥料の必要もなく簡単に出来 ます。おためしください。
■書簡 その118 春が来た
御殿場の友人を訪ねる。富士霊園に辰巳先生のお墓参りと思ったら、桜が満開。花見客でとても行ける状態ではない。
約束の時間があるので戻ることにしたが、それも大変。やっと抜け出して走っていると、田んぼの土手につくしが出ている。
近づくと塔がたっているが、まだ食べられる。早速、採ることにする。用事を済ませて富士越えで帰る。
山中湖のあたりはまだ冬景色だがチョット下ると木々の新芽は輝いている。里は春景色いっぱい。帰ってからつくしを佃煮にして食べる。
毎年これを食べると僕の春が来る。今年は諦めていたが、これで大満足。遅い春がきた。
■書簡 その119 無題
打ち合わせが早く終わったのでマコトシアターで若手の芝居を観る。最近の若者は褪めている。
若手の巧い芝居なんかみたくない。ガムシャラな熱を感じたい。そんなことを思うのは僕だけか。
■書簡 その120 ガンガン
逹が休みだ、というのでドライブがてらカミさんと三人で一の宮の桃を観に行く。
真に満開。甲府盆地はピンクに染まっている。大菩薩に回って雲峰寺の峯の桜を観に行く。
チョット早かったが樹齢700年の老木はどっしりとして 霊気を感じる。
のんびりと里の風景も堪能して、心身共にリフレッシュした。