適切な治療をしなかったため、息子に重度の障害が残ったとして、柳川市の両親が聖マリア病院(久留米市)を運営する社会医療法人に、慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が14日、福岡高裁であった。古賀寛裁判長は「担当医が透析治療の時期について注意義務を果たしていれば、後遺症の発生は無かった」として、病院側に両親の請求通り約5900万円を支払うよう命じた。
判決によると、男児は05年8月に生まれ、重症肺動脈弁狭窄症と診断された。手術後の同9月、透析治療のタイミングが遅れ、低酸素性虚血性脳症の後遺症を負った。男児は今年5月に4歳で死亡した。
訴訟は当初、男児が原告で地裁久留米支部判決(5月)は、1億3300万円を支払うよう病院側に命じていたが、病院側は不服として控訴。男児の死去に伴い、両親が訴訟を引き継ぎ、逸失利益の一部を除いた慰謝料などを病院側に求めていた。
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2010年12月15日 地方版