WEBタイムス 平成14年(2002年)5月24日 第724号
   

「歩兵中隊の10日間」編む 西区草津出身網岡清春さん

ホームへ戻る目次へ戻る

 「西部二部隊-被爆から敗戦まで- 歩兵中隊の十日間」-。これは朝日新聞が一九八八(昭和六十三)年に報道した被爆特集記事の見出しだ。旧陸軍西部二部中隊関係の被爆資料は少なく、当時の大西信治記者らは生き残った人たちを探して取材に当たった。
 数少ない生存者の中に、二部隊歩兵砲中隊の事務室に勤務していた網岡清春さん(七九)がいた。
 その後数年を経て、証言者の一部の人たちから、中心にいた網岡さんに加筆集録して著作を残しておけとの要望が再三寄せられていた。
 迷った末に、被爆死した多くの同僚たちへの鎮魂と冥福を祈る上からも、語り伝えるべきかと、同じタイトルの抄録をまとめたのが本書だ。
 現在の広島市西区草津町で生まれ育ち、四三(同十八)年、中央大学法科在学中に学徒入隊した。この年八月四日から七日まで、和歌山へ南方戦線での戦死者の遺骨を引き取りに出張中で、七日昼に海田駅まで帰着して広島駅まで歩いて惨禍を見た。帰隊し牛田国民小学校へ赴き、被爆兵の救護や名簿作りに当たったという。
 網岡さんは、終戦後、大学卒業ののち、労働省入りし、可部署署長で退職、現在は東区光町に住み、時折、記憶をたどって筆を執る日々。拙い筆だが、被爆記録の一つになれば-という。
 同著は、広島市中区の原爆資料館三階売店にのみ置かれており、一部千円で頒布している。網岡さんの連絡先は、TEL(082)262・2518。



記事の内容、及び著作権について