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柳田法相“更迭”ドミノ辞任で“仙谷内閣”誕生も!?

参院予算委で仙谷官房長官(左)と話す菅首相
参院予算委で仙谷官房長官(左)と話す菅首相
Photo By 共同

 柳田稔法相(56)=参院広島選挙区=は22日、国会軽視発言の責任を取り辞任した。菅直人首相が2010年度補正予算案審議への影響を避けるため、事実上更迭した。9月に発足した菅改造内閣で初の閣僚辞任。後任は当面、仙谷由人官房長官が兼務する。野党は他の閣僚への問責決議案を提出する構えで「ドミノ辞任」が現実になりかねず、支持率急落の政権に大打撃となった。

 22日朝、首相が柳田氏を官邸に呼び、補正予算案を最優先させる考えを伝え、柳田氏も辞表を提出。辞任はその後の持ち回り閣議で了承された。

 政府、民主党は問責提出前の法相辞任で野党側の機先を制して早期の事態収拾を図る狙いだったが、逆に野党は攻勢を強めた。

 政権打倒を目指す自民党の次の照準は「陰の首相」と呼ばれ、菅内閣を事実上取り仕切っているとされる仙谷氏。自民党は中国漁船衝突事件をめぐる一連の政府対応を踏まえ、仙谷氏と馬淵澄夫国土交通相の問責決議案を24日に想定される補正予算案の採決前に提出する考え。みんなの党、共産党、たちあがれ日本の3党は仙谷氏への問責決議案に賛成する方針で、慎重姿勢を示す公明党も、問責決議案が提出されれば賛成する方向。野党の賛成多数で可決される可能性が高い。

 さらに自民党は参院予算委員会理事会で補正予算案の24日採決に応じない考えも民主党に表明。民主党参院幹部は「24日の補正成立はなくなった」と述べた。

 また、みんなの党の渡辺喜美代表は記者団に「無能な閣僚を選んだ責任は首相にある」と強調し、首相の問責決議案を提出する可能性に言及。午後の参院予算委員会で自民党は、首相の任命責任を厳しく追及、仙谷氏の罷免を要求したが、首相は「全く考えていない」と強調。仙谷氏も自身への問責決議案が参院に提出された場合の対応について「柳田氏の辞任とほとんど関連性はない」と述べ、辞任の考えがないことを明言した。

 柳田氏辞任を受け、民主党内では政権運営への不安が広がっている。若手議員は「政局が不安定化するかもしれない」と指摘。菅政権に距離を置く小沢一郎元代表に近い幹部は「野党との合意もなしにこちらから首を差し出すとはどういうつもりなのか。政権の体をなしていない」と、執行部の対応を批判。党内の亀裂は一段と深まった。

 また、当面、法相を兼務する仙谷氏について、民主党関係者は「弁護士出身の仙谷氏は、(法務行政に関係した経験がない)柳田氏より適任」と皮肉交じりに指摘。「閣僚の辞任ドミノが続いたら全部仙谷氏が兼務することになって、まさに“仙谷内閣”になる」と苦笑していた。

 ▼政治評論家・森田実さん 法相という重職にありながら国会軽視と思われる発言をした責任は重く辞任は当然。本来なら即刻辞めさせるべきだった。ここまでもたついたのは菅首相と仙谷官房長官、岡田幹事長の指導力不足が原因だ。日本政治の本質的危機を表に出してしまった。国民は衆院解散・総選挙を要求すべき時期が来た。

 ▼評論家・大宅映子さん 柳田法相の発言は自分は無能でばかですと言っているのと同じ。国会軽視とかいう上等なレベルではない。通常の政権ならつぶれてもおかしくなく、政権は末期状態だ。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年11月23日 ]

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