望 〜都の空から
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【今日の読み物(スコープなど)】<スコープ>政権運営 剣が峰 混乱収拾当て外れ2010年11月23日 紙面から 柳田稔前法相の更迭に踏み切った菅直人首相。政権への打撃を覚悟の上で、更迭と引き換えに混乱を収束させる思惑だったが、逆に野党側は勢いづくばかりだ。仙谷由人官房長官の問責決議案など二の矢、三の矢が飛んできそうな展開。首相の政権運営は、剣が峰に立たされた。 (高山晶一) 「問責決議案を出すかどうかは政党の判断だが、多くの方が納得する理由がなければ、乱発することは議会政治にとって必ずしもいいことではない」 民主党の岡田克也幹事長は二十二日の記者会見で、仙谷氏や馬淵澄夫国土交通相、さらに首相に対しても問責決議案提出の動きを見せる野党側を、強くけん制した。これは、菅政権が厳しい局面に追い込まれていることの裏返しだ。 外交では、中国漁船衝突事件やビデオ流出事件で迷走し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題も見通しが立たない。内政でも、「ねじれ国会」打開に向けた与野党協調路線は難航し、柳田氏をはじめ閣僚の失言が続出。これらが影響し、内閣支持率は30%割れ目前だ。 こうした状況下で、柳田氏の更迭というカードを切らざるを得なかったのは痛手。事態を沈静化できればまだしも、「問責決議案が二人目、三人目と出てくると厳しくなる」(民主党中堅)わけだ。 特に、首相にとって気掛かりなのは、菅政権の屋台骨的存在である仙谷氏の問責決議案。首相サイドは、柳田氏と異なり「仙谷氏だけは守らないと政権が崩壊する」(政府関係者)として、阻止する構えだ。首相は二十二日の参院予算委員会で、仙谷氏を罷免する考えについて「まったくない」と言い切った。 しかし、問責が可決された閣僚が居座れば、野党側は国会審議に応じず、空転する可能性が高い。来年の通常国会まで引きずった場合、公明党などの賛成を得て二〇一一年度予算案や関連法案を成立させるという首相のシナリオは完全に崩れてしまう。 当面、「公明党とは手を握れる可能性はある」(首相周辺)として、引き続き公明党との連携に活路を求める構えだが、協力を得られる保証はない。そうなれば別のシナリオを模索しなければならない。 首相は二十二日、野党の攻勢にどう対応するか記者団に聞かれ、「補正予算は国民生活にとって大変重要。一日も早く採決して成立させていただきたい」と述べるにとどめた。
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