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■ 秋田のニュース:社説

社説:柳田法相辞任 むしろ遅すぎる決断だ

 柳田稔法相は22日、自らの国会軽視発言の責任を取って辞任した。菅改造内閣発足後、閣僚辞任は初めて。支持率低下が続く菅政権にとって、大きな痛手である。

 柳田氏は前日まで続投する意向を示していたが、菅直人首相との会談を踏まえ、2010年度補正予算案成立のために辞任することを決めたという。事実上の更迭である。就任後わずか2カ月余りでの辞任だが、同情の余地はない。あまりにも軽率な発言であり、むしろ決断が遅すぎたと言わざるを得ない。

 仙谷由人官房長官をはじめとする他の閣僚も、国会での不用意な発言を指摘されて陳謝、撤回する場面が目立つ。内閣全体が緊張感を欠いているとすれば問題だ。法相辞任を重大な危機と受け止め、誠実な国会答弁に努めてもらいたい。

 問題の発言は、国会で質問されて分からなかった場合は「個別の事案については答えを差し控える」「法と証拠に基づいて適切にやっている」の二つのフレーズを使えば済む—との内容だ。地元・広島市の会合で気を許しすぎた結果だというが、閣僚としての自覚を著しく欠いている。

 この問題で、菅首相が十分なリーダーシップを発揮したとは言い難い。発言の波紋が与党内で広がっても「罷免すべきだとは思っていない」と強調するなど、柳田氏の続投を容認していた。野党が問責決議案提出の構えを見せるなどして攻勢を強める中、後手に回った印象は否めない。

 政治主導を掲げておきながら、法務に知見のない人をなぜ法相に選んだのか、との疑問の声が上がっている。首相として任命責任を問われるのは当然である。

 当面は仙谷官房長官が法相を兼務する方針だ。しかし法務行政の課題は山積している。大阪地検特捜部の証拠改ざん隠ぺい事件を受けた「検察の在り方検討会議」は、柳田氏の旗振りで発足したばかり。辞任によって動きを停滞させてはならない。検察改革をうやむやにしないよう、政府は責任を持って取り組んでもらいたい。

 北朝鮮の拉致問題も気掛かりだ。担当相がまた代わることに対し、拉致被害者の家族は不信感を募らせている。適任者を配置し、問題解決を急ぐ必要がある。

 自民党は、中国漁船衝突の映像流出事件などをめぐり、仙谷官房長官と馬淵澄夫国土交通相に対する問責決議案提出を検討中だ。野党各党の対応によっては、政府、与党が警戒している閣僚の「ドミノ辞任」が現実のものになりかねない。情勢は一層不透明さを増している。

 景気の先行きが心配される。それだけに、補正予算案は一日も早い成立が望まれる。与野党は協議を深め、国民生活に悪影響が出ないような結論を出してほしい。

(2010/11/23 10:31 更新)

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