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【松本浩史の政界走り書き】菅「凡庸」「無能」政権は終わりにしよう (1/3ページ)
このニュースのトピックス:菅首相
尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件などであらわになった外交能力のつたなさやら、柳田稔前法相らの相次ぐ閣僚の失言やら、その凡庸さと無能ぶりをさらけ出した菅政権に対し、われ知らずため息が出る。国民には、幻滅や失望の念が広がっており、昨年の政権交代劇は、「華やかな虚構」だったと揶揄(やゆ)されても仕方あるまい。
菅直人首相は、移ろいやすい国民の意識をどう引き戻せばいいのか、失地回復の妙案に人知れず思いをめぐらせていることだろう。だが、一条の光さえ視界に入ってこない。つい先日お会いした政府関係者は、苦渋の表情で重々しく口を開いた。
「歴代の政権は、支持率が下がり始めると外交に政権浮揚の活路を見いだしたが、菅政権は最初から、そこでつまずいてしまった。経済対策や社会保障問題など重要課題は山積しているのに、国会が『ねじれ』状態では、思うに任せない」
このところ、民主党でささやかれている「心配事」は、首相が衆院解散・総選挙に打って出るのではないか、というシナリオである。内閣・政党支持率が急落しているのに、「負ける戦をわざわざするか」とにわかには信じがたいが、窮余の一策としてやりかねないと気をもんでいるわけだ。
その昔、自民党の加藤紘一元幹事長は、衆院解散・総選挙をめぐる政治家心理を喝破した。「権力から遠ければ遠いほど疑心暗鬼になり、近ければ近いほど操作したくなる」と。民主党の党内事情にものの見事に当てはまるから、けだし名言である。