菅直人首相は1日午前、首相官邸で連合の古賀伸明会長らと「政府・連合トップ会談」を行った。
古賀氏は民主党の小沢一郎元代表の国会招致が進まないことや、中国漁船衝突事件などを念頭に「政治とカネの問題、外交、防衛関連で国民の視線は厳しいものになっている。国民の声は危機感、緊張感を持って重く受け止める必要がある」と首相に苦言を呈した。民主党の最大の支持団体トップによる異例の直言は、支持率低下に苦しむ菅政権の現状を浮き彫りにした。
菅首相と連合会長によるトップ会談は、7月以来2回目。古賀氏は「連合はこれからも民主党政権の応援団として全力で支えたい」と伝えながらも、「政権へのさまざまな声が届けられるようになっている」と菅政権に批判が寄せられていることを明かし、「野党との合意形成に向け、主体的に与党の皆さんが動いていただくことをお願いしたい」と注文を付けた。
会談後、古賀氏は記者団に「さまざまな声が寄せられていることを率直に首相に伝えておくべきだと思った」と述べた。首相は「政府としてきちっと受け止め、政権運営しなければならない」と応じたという。【倉田陶子】
毎日新聞 2010年12月1日 東京夕刊