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仲井真弘多知事の新たな任期が始まった。2期目に当たり、知事は「環境と経済が発展する仕組みづくり」「ソフトパワーを活用した自立型経済」などを打ち出し、選挙公約の実現に取り組む姿勢をアピールした。だが、米軍普天間飛行場返還・移設問題と新たな沖縄振興法制度をめぐり、対話重視の方針を掲げる対政府との関係では、難局が続くことも予想される。公約の目玉である経済成長や雇用改善の取り組みは待ったなしだ。
「海兵隊は沖縄のためにいるわけでない。普天間問題の解決は全国民で考えてほしい」。知事は再選後こう繰り返している。10日の県議会あいさつでも、県外移設の公約実現に取り組む姿勢を強調。だが知事の訴えに協力する県外での動きは見えてこない。
■正念場
来週末にも来県する菅直人首相は、あくまでオバマ米大統領に約束した名護市辺野古移設を推進する方針。一方で首相は沖縄側の理解を得るため、県が渇望する沖縄振興一括交付金の創設に意欲を示す。
菅政権はかつての自公政権と同じ「アメとムチ」の手法でしか、普天間問題を打開するすべがないように映る。今後移設と振計を絡めて県に有形無形の圧力がかかりそうだが、10日の記者会見で知事は「官房長官がリンクさせないと言っている。そこに期待したい」などと述べるにとどめた。 知事選公約の基地政策で支持を集めた柱が県外移設だったとすれば、経済の目玉は「県民所得の全国中位化」。元通産官僚で県経済界リーダーとしても活躍した知事は2期目の選挙で「経済の仲井真」を強調し、当選の原動力となった。
2期目は10〜15年以内の所得の中位化をはじめとした産業・雇用政策の強化や新振計などをにらみ、組織の大幅再編も打ち出している。手始めに来年4月に文化観光スポーツ部を新設。伝統文化や空手、スポーツの産業面での可能性を模索し、沖縄のけん引産業である観光との連携を促す。
だが1期目の最重点公約に据えた完全失業率4%台の実現は遠く、直近は8%台に悪化。2016年に1千万人にするとした観光客数も伸び悩んだ。世界的な金融危機など外的要因が大きく影響した側面もあるが、失業率全国並みや観光客1千万人などを再度公約した2期目は正念場だ。
■人心掌握
「相手候補に投票した人の気持ちもよく忖度(そんたく)し、県民代表として仕事したい」。再選を受けて知事はこう謙虚に語ったが、県議会はその相手候補を推した野党勢力が多数を占める状況は変わらず、県政運営基盤はもろさを抱えたままだ。
12月定例会も9月から継続審査の看護学校民営化など、野党が反対する議案が複数ある。2期目は12年の次期県議選をにらみつつ、今回の知事選を自主投票とし、野党から中立的立場に軸足を移しつつある民主党議員らへの働き掛けを続けることになりそうだ。
知事は1期目に能力重視・適材適所の人事を進めたが、総務・財政畑OBらの意見や過去の事例にとらわれない手法に一部で「県の慣行を無視した」(幹部)との不満もくすぶる。庁内での人心掌握も2期目の県政運営の注目点だ。
(与那嶺明彦)
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