民主党の岡田克也幹事長(57)は11日、視察先の山口市内で、小沢一郎元代表(68)の国会招致問題について「本人が判断できないのなら、党としての意思を示す必要がある。(結論を)持ち越す必要はない」と発言。13日の民主党役員会で、党として、衆院政治倫理審査会での小沢氏招致議決を求める意思を明確にした。一方、小沢氏は11日、福井県越前市内で「自分の姿勢、政治生活にやましいことはない」と反論。党内対立はさらに激化してきた。
小沢一郎元幹事長の国会招致議決を諮る民主党役員会メンバーは、菅直人首相(64)=党代表=も含めて14人。大半は招致に賛成するとみられるが、小沢氏に近い輿石東参院議員会長(74)、平田健二参院幹事長(66)、羽田雄一郎参院国会対策委員長(43)の3人が反発する可能性がある。
そのため、岡田幹事長は13日の党役員会で結論を出すことに「(小沢氏)本人が判断できないのなら、党としての意思を示す必要がある。(結論を)持ち越す必要はない。しっかりまとめたい」とし、「簡単な話ではないが、リスクをとってでも、国民の声に真摯に応える」と述べた。山口市内で記者団に語った。
さらに岡田氏はこの後、広島市内で「国会運営、(来年の)統一地方選に関して、この問題がひとつの障害になっている。(小沢氏に)やましいことはないと思うが、国民の多くが説明不足と考えている」と重ねて強調した。
これに対し、民主党の三井弁雄(みつい・わきお)国土交通副大臣(68)は11日、札幌市で記者団に、小沢氏の招致議決を目指す岡田氏について「幹事長失格だ。いまは党内融和が大事。近親憎悪みたいなことをやっていては国民が不幸だ」と批判した。
また、原口一博前総務相(51)も11日、東京都内で講演し、党執行部の対応について「いまは予算と税制(の議論)をやっている。この時期に何をすべきか、政策と行動の優先順位が問われている」と疑問を呈した。三井、原口両氏とも小沢氏に近い。
三井氏は「菅政権の失言などが内閣支持率を下げている。野党は小沢氏招致を問題にしていない」と反発。「地方選でも岡田氏の優柔不断さが出ている。それが党内に不協和音を呼んでいる」と指摘。原口氏も「部分的に正しくても全体的に大きく間違っている判断を執行部がしているから、いまの支持率になっている」と述べた。