【宮古島】米海軍第7艦隊音楽隊が11日に米軍機で宮古空港に飛来したことを受け、労働組合や市民団体のメンバーらは同空港前で抗議集会を開き「米軍は帰れ」などとシュプレヒコールを上げた。県警本部の機動隊も警戒に当たる物々しい雰囲気の中、同音楽隊のメンバーを乗せたバスは、県警車両に前後を囲まれながら足早に集会場前を通り過ぎた。
音楽隊メンバーは軍用機着陸後、滑走路内に横付けされたバスに乗り込み、空港の外へ。バス内から抗議集会の様子を撮影するメンバーの姿も見られた。会場となる市施設のマティダ市民劇場に楽器などを降ろした後、島内の観光に出掛けた。
連合沖縄宮古地域協議会の砂川勝哉副議長は「県や市、市議会が空港の使用自粛を求める中での来島に憤りを覚える。友好親善の名の下に来るのはいかがなものか」と語気を強めた。下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民の会の星野勉代表は「軍隊は住民と友好親善をするためではなく戦争のために存在している。明らかな宣撫(せんぶ)工作だ」と批判した。
集会に参加した大城裕子さん(47)は「子どもたちに平和な未来を残したいとの思いで参加した。悲惨な戦争を体験した沖縄だからこそ本当の平和がどういうものか発信できる。自衛隊の基地もあってはいけない」と力を込めた。
一方、同じ場所で来島を歓迎する横断幕を掲げた宮古の自由を守る会の宮城隆代表は「中国や北朝鮮などアジアの情勢を考えれば、日米同盟を強化していくことが重要。空港の軍事利用、米軍や自衛隊の宮古への配備には賛成だ」と話した。
関係者によると、今回の演奏会を主催する在沖米国総領事館から、市内の学生との合同演奏会や、市内の施設などでの演奏の打診があったというが、いずれも断ったという。