都青少年条例 露骨な性描写の規制は当然だ
過激な性描写のある漫画が、
これらの18歳未満への販売規制を強化する東京都青少年健全育成条例改正案が、15日の都議会本会議で可決され、成立する見通しだ。
現行条例は、「著しく性的感情を刺激」する作品は指定図書として成人コーナーなどに分けて売ることを義務づけている。指定に当たっては性器の描写の明確さなどが判断基準となっている。
そのため、例えば果物を性器に見立てるなどして、小学生の性行為を描写したような漫画は成人図書に指定されていない。
条例改正は、こうした規制から漏れた作品についても成人指定が出来るように、基準を改めようというものだ。
青少年の健全育成の観点に立てば、規制強化は当然だろう。
当初の改正案は、18歳未満の少年少女の性行為を肯定的に描いたものなどを新たな規制対象として加えるというものだった。
しかし、民主党などが「対象があいまい」との理由で反対し、6月の議会で否決された。
都が手直しした上で議会に再提出した今回の改正案は、
漫画家や出版界には反対の声が根強い。「成人女性の性描写も含まれるなど、当初案よりもさらに規制の対象が広がった」と反発を強めている。
芸術的評価の分かれる作品が一方的に成人指定されかねない、と懸念する声も上がっている。条例案には「慎重な運用」を求める付帯決議が加えられた。条文を拡大解釈して乱用するようなことはあってはなるまい。
都の成人図書の指定は、PTAの代表や出版・報道関係者、都議らで構成する審議会で行われている。今後、審議会にかかる作品の幅が広がり、新たな判断を迫られるケースも出てくるだろう。
より多様な意見を議論に反映させるため、漫画家を委員に加えることなども検討してはどうか。
青少年に対する漫画の販売規制は自治体によって基準が異なり、東京都の議論だけで問題が解決するわけではない。
どんなに出版物の販売が規制されても、ネット上には過激な性描写の画像が氾濫している。
家庭や地域、各業界ぐるみで子どもを守るための取り組みを進めて行くことが肝要だ。
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