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【社会】

ぜんそく予防に“ピロリ菌”効果 筑波大がマウス実験

2010年12月14日 朝刊

 免疫が発達する幼少期に、インフルエンザウイルスに感染したり、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が作る物質を注射したりすると、ぜんそくや花粉症、食物アレルギーなどになりにくいことをマウスの実験で確認したと島村道夫筑波大客員研究員らが13日付米医学誌に発表した。

 ピロリ菌が作る「ChAcG」という物質は、アレルギー性疾患の予防薬開発につながるのではないかとしている。

 島村研究員は「アレルギー疾患は、免疫が過剰に働いて起きる。免疫を整える幼少期に病原体にさらされると免疫に何らかの記憶が残り、成長後バランスを保てるようになる」と話している。

 島村研究員らは、授乳期に当たる生後2週のマウスで実験。インフルエンザウイルスに感染させると、リンパ球の一種が増殖し、成長した5〜6週間後、気管支ぜんそくを起こすアレルゲンを投与しても、気道での炎症は抑えられた。

 生後2週で「ChAcG」を注射した場合も、同様の効果があった。

 だが生後8週になって初めてウイルスに感染したり、ChAcGを注射されたりしたマウスでは、炎症抑制効果はなかった。

 今回の結果は、衛生状態が改善されると、幼少期に病原体にさらされる機会が減少し、かえってアレルギー性疾患になりやすくなるという「衛生仮説」を実証したものだという。

 

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