「引きこもり」するオトナたち
【第42回】 2010年10月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
池上正樹 [ジャーナリスト]

斎藤環氏×ひろゆき氏との特別鼎談で得た視点【後編】
「空気の読める・読めないで“身分階層”ができる時代
今こそ引きこもりが立ち上がり、地方議員になろう!」

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ひろゆき「ネットで、俺、引きこもりって言ってるやつは、皆、ウソつきなんですか?」

斎藤「かなりウソが入ってると思いますね。心情的には引きこもりだけど、実際の生活はリア充っぽかったりしても、引きこもりを自称しているんです」

ひろゆき「自称オタク的な感じですね」

斎藤「日本が韓国みたいにネトゲブームにならなかったのは、2ちゃんのおかげだと思ってるんですよ。2ちゃんのほうが、飽きたときにアクセスを切断しやすいですし」

ひろゆき「では、引きこもりの8割の人は、ネットをやらないで何をしてるんですか?」

斎藤「ネットもやりますが、読書したり、DVDやテレビを見たり、ボーっとしている人が多いですね」

 実際、本や新聞などの活字が好きだったりする。世界情勢や政治経済にはやたら詳しい。しかし、コミュニケーションにはつながっていかないのだ。

斎藤「だからね、引きこもりの人は、究極の就職先として、地方議員になればいいと思うんです」

ひろゆき「確かに、社会を憂えていますからね。ネトウヨの方々は(笑)」

斎藤「地方議員は、すごいリア充なわけですよ。国会議員ももらっていない議員年金はもらいまくり。議会はほとんど保守系で固まっちゃってますから、まったく空気が流れていない。そこに引きこもりの人が『立ち直りました』みたいな感じで立候補すると、かなりの割合で当選すると思います(笑)」

ひろゆき「確かに、老人はたくさんいるから、若いヤツに投票しようみたいな」

斎藤「1人しか落選しない選挙区がいっぱいありますから。そこに食い込むと、行けます」

ひろゆき「じゃあ、新党引きこもりを(笑)」

 ということで、党首は、ひろゆき氏。フィクサーは、斎藤環先生ということに?

ひろゆき「人数が70万人、100万人になったら、票としてもでかいですからね。“引きこもりに生活保護を!”と訴えたら、1人くらい受かりそうですしね」

 ネタではなく、「地方議員になろう!」は、いい解決策になるかもしれない。


発売中の拙著『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)では、このように、いまの日本という国が、膨大な数の「引きこもり」を輩出し続ける根源的な問いを追い求め、当事者や家族らの語る“壮絶な現場”をリポートしています。ぜひご一読ください。


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池上正樹 [ジャーナリスト]

1962年生まれ。大学卒業後、通信社の勤務を経て、フリーに。月刊誌や週刊誌、夕刊紙で、ひきこもり現象や健康医療、マンションなど、医・食・住のテーマを主に手がける。著書は、『ハッピー リタイア マニュアル』(ゴマブックス)、『痴漢「冤罪裁判」』(小学館文庫)、『「引きこもり」生還記』(小学館文庫)など。2010年7月に『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)を上梓。
 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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