日産自動車と三菱自動車が提携拡大で合意した。両社の背中を押したのは、国内市場の競争環境の変化だ。縮む市場のなかで、排気量660cc以下の軽自動車は需要が底堅い。トヨタ自動車も来秋の参入を計画するなど、国内事業で「軽」の重みは増している。安くて小さな車が求められる新興国市場では軽で培ったノウハウが生きるとの読みも軽事業強化の背景にある。
「軽自動車は今後も成長が見込める」。14日午後、都内で開いた記者会見で、日産のカルロス・ゴーン社長は軽事業強化に意欲を見せた。自動車大手が折半出資で新会社をつくり、本格的に軽の共同開発に踏み切るのは初めてだ。
国内新車販売に占める軽の比率は1990年代後半からじりじり上昇、2008年度には38.5%に達した。手ごろな価格で、燃費に優れる軽の需要は今後も堅調に推移するとみられる。トヨタが子会社のダイハツ工業から軽自動車の供給を受けて来秋から参入するなど、各社とも軽の戦略再構築に動いている。
日産は09年度に、同社の国内販売の約2割に相当する13万6000台の軽を販売した。今年1~10月の軽市場でのシェアは8.4%と、3位のホンダ(9.2%)を追い上げる。ただ主力は「モコ」や「ルークス」などスズキから供給を受けた車両。軽で3割強のシェアを持つスズキに対して、日産が商品企画の段階から関わることができる余地は少ない。
日産は13年度までに国内の新車販売シェア(軽を含む)を現在より2ポイント高い15%に引き上げる目標を掲げている。「スズキ頼み」を修正し、三菱自と軽を共同開発することで、競争力の高い車を市場に送り出す考えだ。
世界的に需要が旺盛な低価格の小型車市場で競争力の強化につなげる思惑もある。ゴーン社長は「軽の車台を生かし、海外で低価格小型車として展開する可能性もある」と話す。日産にはない軽の生産ノウハウを持つ三菱自との協業は、新たな小型車戦略を生み出すきっかけにもなりそうだ。
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