2010年12月15日4時20分
茨城県議選の投開票日だった12日、石岡市選挙区で当選した戸井田和之氏(46)の選挙事務所にトラックが突っ込み、戸井田氏の叔父の戸井田利雄さん(62)がひかれて死亡した事件で、事務所を標的にした嫌がらせの詳細が陣営関係者の話でわかった。事件前日の早朝に2人が消火剤をまき散らしたほか、車7台がパンクの被害に遭うなどしたという。県警は消火器を押収するなどして調べている。
戸井田氏陣営の話によると、最初に被害に気づいたのは11日午前3時半ごろ。戸井田氏の父(70)が地域の集まりに出かけるため、事務所と同じ敷地にある自宅から車で出かけようとしてタイヤのパンクに気づいた。ほかの車を調べたところ、選挙カーを含めて計7台のタイヤに千枚通しのようなもので突き刺した跡があり、うち5台は4本すべてがパンクしていた。さらに、選挙カーのマイクのコードや選挙用の看板、事務所前に設置したテントの天幕と鉄柱を結ぶ糸が切られていた。10日午後11時半までは事務所に人がいて異常はなかったという。
また、パンクに気づいてから約2時間後、戸井田氏夫妻と戸井田氏の父の3人で事務所にいたところ、事務所の引き戸が突然開き、消火器を1本ずつ手にした2人が引き戸の外から身を乗り出すようにして消火剤をまき散らした。戸井田氏の父が「何やっているんだ」と叫ぶと、何も言わずに走って逃げたという。
うち1人は身長が170センチほどで40〜50代の男。つばなし帽に白いマスク、黄色いジャンパー姿だった。
これらの被害から約29時間たった12日午前10時35分ごろに事務所にトラックが突入。利雄さんをはねて死亡させた。県警が殺人容疑で捜査を続けている。