事件・事故
「多重人格」裁判員どう判断? 姫路・夫絞殺事件
夫を絞殺したとして殺人罪に問われた住所不定、無職阪永郁恵被告(32)に対する裁判員裁判の判決が13日午後、神戸地裁姫路支部で言い渡される。被告は何人もの人格が現れる「解離性同一性障害(多重人格)」と診断され、公判でも「(殺害を)決意したのは別の人格」と説明。解離性同一性障害の影響をどう判断するかは専門家でも見方が分かれており、裁判員は難しい判断を迫られそうだ。
起訴状によると、被告は昨年夏、姫路市内のマンションで夫=当時(42)=の首を電気コードのようなもので絞め窒息死させた、とされる。
弁護側主張などでは、この前後、被告の中にアヤ、サイト、ツバキ、メグという人格が登場。アヤが殺害を決意して夫を呼び寄せるなど準備を進め、サイトに襲うことを指示したという。
逮捕前、被告は「夫を殺した。お前(被告)も殺す」という趣旨の脅迫文が届いたと警察に説明したが、こうした偽装工作をしたのはツバキだった、としている。
7日からの公判では、裁判員が時折首をかしげるなど、戸惑う様子がうかがえる場面もあった。検察側は「人格が交代するといっても、一個の個人が存在するにすぎない」などとして懲役14年を求刑。弁護側は起訴内容や責任能力の有無を争ってはいないが、こうした障害による判断力の低下を考慮すべきと訴え、「5年を超えない刑が妥当」としている。
同じ障害をめぐっては、東京都渋谷区で2006年に妹を殺害し遺体を切断した元予備校生に対し、一審東京地裁は「別人格が現れ、心神喪失だった」とし死体損壊については無罪とした。しかし、控訴審では責任能力を認めて逆転有罪となり、プロの裁判官でも判断が分かれた。
◇診断結果もさまざま 野田正彰・関西学院大教授(精神科医)の話
解離性同一性障害は、現実逃避の幻想ではないかという説もあり、医師によっても判断が分かれ、診断結果も異なる。一般の人が詳しく理解し、事実かどうかを判断するのは難しいだろう。
〈解離性同一性障害〉
強いストレスやトラウマ(心的外傷)の影響などで起きるとされ、同一人物に二つ以上の独立した人格が現れる。1988〜89年、幼女連続誘拐殺人事件の宮崎勤元死刑囚に対する精神鑑定の一つが、刑事裁判史上初めて「解離性同一性障害(多重人格)」とされ関心を集めたが、判決では採用されなかった。
(2010/12/11 15:25)
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