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【産経抄】11月24日
このニュースのトピックス:産経抄
米国の専門家に最新ウラン濃縮施設を“公開”するなど北朝鮮の様子がおかしいと思っていたら、いきなり韓国の島に砲撃してきた。今年は、朝鮮戦争勃発(ぼっぱつ)60周年に当たるが、記念の一発とすれば金正日、正恩親子は狂っているとしかいいようがない。
▼北朝鮮は、どこかの新聞がかつて(今も?)ほめそやした人民の人民による人民のための社会主義国家ではない。金家の金家による金家のための世襲国家であり、金家を守る軍人が幅をきかす軍事国家でもある。
▼世襲ゆえに代替わりの時期になると、軍や秘密警察の功名争いが激しくなり、大韓航空機爆破や日本人拉致など常識では考えられない事件を引き起こしてきた。狂気の沙汰(さた)の砲撃も太った若殿を言祝(ことほ)ぐ襲名披露のつもりだろうが、殺された人間はたまったものではない。
▼さて、日本である。自衛隊の最高指揮官である首相は、報告を受けるやただちに防衛相らを緊急招集し安全保障会議を開くのかと思ったらさにあらず。夕方、記者団のインタビューに応じたが、目をしばたたかせ、不安な表情を隠せなかった。
▼こんな事態になっても民主党は、高校無償化の対象に北朝鮮の影響下にある朝鮮学校を含めようとしている。国民の税金が朝鮮学校の懐を潤せば、愚行を繰り返す北朝鮮を利するだけなのをなぜわからぬ。
▼首相が今すぐやるべきは、日米韓の結束を確認し、北朝鮮に厳しく対処する覚悟を固めることだ。官房長官が「暴力装置」とののしった自衛隊の増強も欠かせない。きのうの小紙社会面(東京版)には、「こんなに駄目だとは思わなかった」と菅政権を嘆く会社員のコメントが載っていたが、駄目首相が意地をみせるのは今しかない。