2010年11月25日(木)「しんぶん赤旗」

武器輸出解禁へ4基準

民主党調査会 防衛大綱の「提言案」


 民主党外交安全保障調査会は24日、年内に策定される新たな防衛計画の大綱に向けての提言案を示しました。党内論議を経て、来週にも民主党案として政府に提出します。

 提言では、憲法の平和原則に基づき、武器輸出を全面的に禁止する「武器輸出三原則等」について、「平和構築や人道目的」「人を直接殺傷する能力・可能性の低いもの」など4基準を示し、見直す考えを明らかにしました。しかし、何が「人道目的」に該当するかなど基準を明確にすることは困難であり、事実上、武器輸出の全面解禁につながるものです。

 自衛隊の構成については、陸上自衛隊の削減を提言する一方、沖縄への自衛隊増強を念頭に、海上・航空自衛隊の強化を打ち出しています。また、首相官邸に「国家安全保障室」を設置し、情報担当の国会議員を20人配置するとしています。

 提言案の総論では、8月末に公表された「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」報告書の問題意識を「概(おおむ)ね共有する」と表明。同報告書と同様、武器輸出三原則や「基盤的防衛力」、PKO(国連平和維持活動)5原則の見直しや海外派兵恒久法の制定など、これまでの安全保障上の諸原則を全面的に覆す内容になっています。

 調査会の事務局長を務める長島昭久前防衛政務官は、「自民党時代にできなかったことを踏み込んで提案したい」と述べました。

 また、提言案では、23日の北朝鮮による韓国砲撃を受け、「最近の東アジア情勢、朝鮮半島情勢の不安定化は、我が国の安全保障上の極めて深刻な脅威」であると指摘しています。





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