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裁く・裁かれる:ながの裁判員制度 小諸・妻殺害 弁護側が無罪主張 /長野

毎日新聞 12月14日(火)12時29分配信

 ◇検察「責任能力ある」
 09年7月に小諸市の自宅で妻に灯油をかけ、火をつけて殺害したとして、殺人罪に問われた同市滋野甲、無職、小根沢半助被告(82)の裁判員裁判の初公判が13日、長野地裁(高木順子裁判長)で開かれた。弁護側は「被告に殺害の意思はなかった。また、犯行当時は心神喪失状態で責任能力がない」などとして無罪を主張し、全面的に争う構えを見せた。被告側が無罪を主張して行われる裁判員裁判は、県内では初めて。【大島英吾】
 起訴状や検察側の冒頭陳述などによると、小根沢被告は09年7月19日午後1時45分ごろ、自宅の居間で妻みさをさん(当時78歳)の体や、みさをさんが寝ていた座布団に灯油をまき、ライターで着火。全身にやけどを負わせて同20日に死亡させたとされる。
 小根沢被告は、高木裁判長に認否をたずねられたが、数十秒沈黙した後に口ごもり、裁判長らが言葉を聞き取ることはできなかった。
 冒頭陳述で、検察側は「被告は足の不自由な妻が畑仕事を手伝わないことに腹を立て、寝ていた妻に灯油をかけて火をつけた。逮捕当時は、殺意を認める供述をしていた」と主張。同被告は09年8月6日〜同年9月7日の間、精神鑑定のため留置されていたが、「責任能力に問題はない」などと説明した。
 一方、弁護側は「ペットボトルに入れていた灯油が偶然こぼれ、ライターは使えるかどうかを試していた。被告はみさをさんに火をつけるつもりはなかった」と状況を説明。責任能力について、被告が00年に脳梗塞(こうそく)のため認知症と診断されて以来、異常な行動が目立っていたとし、事件当日も「自分の行動を制御できる状態ではなく、罪に問えない」と訴えた。
 今回裁判員を務めるのは男性4人と女性2人で、男性3人の補充裁判員が選ばれた。公判日程は、県内でこれまで行われた裁判員裁判では最長となる8日間。被告の精神鑑定を行った医師や取り調べを担当した警官らが証人として出廷する。
 鹿児島地裁では強盗殺人罪などに問われた男性が10日、重大事件の裁判員裁判で全国初の無罪判決を受けた。検察と弁護側が真っ向から争う今回の公判を通じて、裁判員が難しい判断を求められる可能性もある。

12月14日朝刊

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最終更新:12月14日(火)12時29分

毎日新聞

 

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