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防衛大綱決定 17日に先送り 武器輸出三原則 骨抜き懸念も
政府は4日、防衛力のあり方と整備目標を定める新たな「防衛計画の大綱」の閣議決定を、当初予定の10日から17日に先送りする方針を固めた。複数の政府高官が明らかにした。新大綱に基づき、来年度から5年間の主要装備の整備数量などを明示する「中期防衛力整備計画」も同時に閣議決定される見通し。
大綱では「武器輸出三原則」見直しが盛り込まれる方向で菅直人首相も了承しているが、閣議決定先送りにより民主党リベラル勢力が勢いづき、「骨抜きにされかねない」(防衛省幹部)との懸念も広がる。三原則見直しには公明、社民両党も慎重な姿勢を示しており、来年1月召集の通常国会を乗り切るための取引材料となる恐れもある。
閣議決定が先送りされたのは、前原誠司外相の外遊日程との調整が付かなかったためだ。前原氏は8日からインドネシア・バリ島やアルジェリアなどを訪問し14日夜に帰国予定。首相官邸は外相不在のまま大綱を決定すべきではないと判断したとされるが、各省庁の調整機能が働いていないことを露呈した。
大綱は昨年末に改定予定だったが、政権交代を理由に1年延期され、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題が迷走したこともあり、省内検討が秋にずれ込んだ。焦点の陸上自衛隊の定員維持には財務省がなお抵抗しており、大綱決定直前まで微修正が続く公算が大きい。