政府が見直しを進めている新たな「防衛計画の大綱」の内容が明らかになり、北朝鮮や中国の軍事的な動向が、日本周辺の不安定要因だとして、沖縄を含む南西地域の防衛態勢を強化するとしています。一方、「武器輸出三原則」について、緩和の方針を明記することは見送りましたが、自衛隊の装備品の国際共同開発の必要性を指摘しています。
それによりますと、日本周辺の安全保障環境について、北朝鮮と中国を取り上げ、地域の不安定要因だと懸念を示しています。そのうえで、防衛力整備について、陸海空の自衛隊を全国に均等に配置する従来の基本的な考え方を改め、海上・航空自衛隊の警戒・監視能力を強化し、機動的に部隊を派遣する「動的防衛力」という新たな考え方を盛り込んでいます。そして、沖縄を含む南西地域の防衛態勢を強化し、必要最小限の部隊を配置するとしています。一方、外国への武器輸出などを原則禁じた「武器輸出三原則」について、社民党の意向に配慮し、緩和の方針を明記することは見送りましたが、自衛隊の装備品の国際共同開発・共同生産の必要性を指摘しています。このほか、日本に向かうミサイルを地上からの迎撃ミサイルで撃ち落とすシステムを、沖縄県をはじめ全国に配備する一方、戦車は3分の1減らしておよそ400両にすることにしています。また、政府が戦略的な意思決定を行うため、安全保障について総理大臣に助言や政策調整を行う組織を設置するとしています。政府は、新たな「大綱」を来週にも閣議決定することにしています。