日本の菅直人首相が、韓半島有事の際、韓国と北朝鮮に在住する日本人を救出するために自衛隊を派遣する問題について言及し、波紋を呼んでいる。
菅首相は11日、韓半島有事の際、韓国と北朝鮮の邦人保護に関連して、「自衛隊の輸送機で救出しようとしても、両国間に決まったルールがない」とし、「日韓の間で安全保障に絡む協力関係も進んでいるので、少しずつそういう相談を始められれば」と述べた。
菅首相は10日、北朝鮮による拉致被害者家族との会合で、「いざという時に、(自衛隊が拉致被害者の)救出に携われる日韓の決め事もしっかりしたい。今いくつかの議論を進めている」と述べていた。1日で、救出対象が、北朝鮮の日本人拉致被害者約10人から、韓国在住の日本人約2万8000人に増えたのだ。
菅首相の発言は、韓半島有事を前提とした発言だが、場合によっては、自衛隊が韓国領土で活動できるという点で、大変大きな波紋を呼ぶ事案だ。
韓国政府は、一言で「突拍子もない」という反応だ。ある政府当局者は、「韓日政府の間に、自衛隊派遣問題について協議されたことも提起されたこともない。いかなる国であれ、有事の際、自国民の救出に関心を持つだろうが、菅首相の発言は、ややもすると韓半島情勢が緊迫するという意味に受け取られかねないため、適切かどうか疑問だ」と指摘した。
大統領府関係者は、「実現の可能性のない失言と見なければならない」と一蹴した。別の当局者も、「基本的に受け入れ難い問題であり、検討もしていない」と述べた。
日本のメディアも、「菅首相の発言は現実性がなく、現行法に抵触する可能性が高い」と報じた。毎日新聞は、「海外での武力行使を禁じた憲法9条や自衛隊法は、戦闘地域での邦人輸送は想定していない」とし、「従来の政府の憲法解釈を大きく逸脱しかねない」と指摘した。
読売新聞は、「自衛隊法では、海外の緊急時、安全確保を前提に自衛隊の邦人輸送が可能だ。有事の際は安全が確保されない。首相の発言は非現実的だ」という防衛省関係者の発言を紹介した。
日本は、米国と安全保障条約を結んでいるが、在韓米軍が北朝鮮の攻撃を受けても、集団的自衛権の行使を憲法が禁じているため、自衛隊を韓半島に派遣できない。自衛隊は、国連主導の平和維持活動などにのみ制限的に派遣が可能だ。
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