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【主張】小沢氏招致要請 「茶番劇」としか映らない
民主党は小沢一郎元代表の国会招致問題で、政治倫理審査会への出席が必要なことを役員会で確認するとともに、岡田克也幹事長に今後の対応を一任した。
だが、岡田氏が提案した政倫審の議決により小沢氏に招致を求める方針は、党内の強い反対論にあってひとまず先送りされた。
岡田氏が一両日中に小沢氏との会談を求め、出席を要請するというが、これでは従来と変わらないではないか。さきの臨時国会でも同様なことが繰り広げられ、岡田氏は説得に失敗した。
もはや、国民の目には、「茶番劇」としか映らない。
茨城県議選で、民主党は公認・推薦した候補24人のうち6人しか当選しない惨敗を喫した。民主党に注がれる有権者の視線はきわめて厳しい。小沢氏の政治とカネの問題に決着をつけ、自衛隊は「暴力装置」と表現して問責決議を採択された仙谷由人官房長官を更迭するなどして、解党的な出直しが求められている。
党役員会は小沢氏が出席を拒めば、改めて党として方針を決めざるを得なくなることも確認した。だが、岡田氏が小沢氏と会談しても、結果的に政倫審への出席を拒まれることを繰り返すのではないか。野党側も強制力のない政倫審では疑惑解明ができないとして、証人喚問を要求している。
小沢氏は最近も「やましいところはない」などと述べているが、政倫審での弁明を拒否し、説明責任を果たしてこなかった政治的・道義的責任はきわめて重い。岡田氏が「司法の場でやるから国会での説明は必要ないという考え方は違う」と述べたのは当然だ。
耳を疑うのは、首相が支持者との会合で「就任して今までは仮免許だった」と発言したことだ。就任から半年間の職務が不十分だったことを認めるようなもので、最高指導者としての自覚の欠如を示している。
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、衆院解散を「できるだけ早い時期に行うべきだ」との回答が47%に達した。民主党政権の外交・安全保障政策に対して「評価しない」が82%に上るなど政策面での批判が強まっている。
民主党政権の是非を国民が改めて問い直すべきだと判断していることを、為政者は重く受け止めなければならない。