菅直人首相は14日、太平洋戦争末期の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)を訪問し、政府の特命チームが進める日本兵の遺骨収集作業を視察した。青い作業服姿の首相は掘り起こされた遺骨を自ら収容し、両手を合わせて供養。担当者に作業状況を熱心に尋ねた。
この後、将兵を祭る天山慰霊碑での追悼式に参列。民主、自民両党などの国会議員も同行した。
政府は10月の調査で、米国側資料で集合埋葬地とされた2カ所から計51柱を収容。12月上旬に始まった再調査でも同じ場所から次々に遺骨が見つかっており、これまで存在が指摘されながら未発見だった集合埋葬地の可能性が強まっている。
2カ所のうち島中心部の自衛隊基地滑走路付近では約2千柱、島南部の摺鉢山のふもとには200柱規模が埋まっているとみられる。
仙谷由人官房長官は14日午前の記者会見で、与野党議員の同行に関し「戦後処理の問題は、もっと早くエネルギーを結集してやるべきだと誰もが心の中で思っている事柄だ」と意義を強調した。
島では約2万2千人の日本兵が戦死。約1万3千柱が収容されずに残っているとされ、遺骨収集が進められてきた。
現職首相の硫黄島訪問は、2005年6月の小泉純一郎氏以来。
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