【北京共同=磐村和哉】中国の戴秉国国務委員が先週訪朝した際、韓国・延坪島砲撃による緊張緩和のため、中国が提案している6カ国協議の首席代表による緊急会合について、北朝鮮の金正日総書記が開催に原則同意する一方で、非核化に向けた行動が先決とする米韓の主張は「受け入れられない」との立場を示し、無条件開催を要求していたことが分かった。北京の複数の外交筋が14日、明らかにした。
中国外務省の姜瑜副報道局長は同日の定例記者会見で、北朝鮮は緊急会合に「積極的な態度だった」と述べ、開催に同意したとの認識を表明。しかし、実際には金総書記が挑発行動中止や非核化への具体的取り組みが必要とする米韓の条件を拒否していたことで、早期の会合開催は難しくなった。
また同筋は、金総書記は戴国務委員との会談で、延坪島への砲撃で韓国側の民間人2人が死亡したことに遺憾の意を表明しつつ、砲撃自体は韓国の軍事演習に対する「自衛的な対応措置だった」との従来の主張を繰り返したと明らかにした。
ウラン濃縮や軽水炉建設など、北朝鮮の新たな核活動については「会談で突っ込んだやりとりはなかったもようだ」(同筋)という。
姜副局長は、6カ国協議のプロセスを進展させ、朝鮮半島の非核化と各国との関係正常化や北東アジア地域の恒久的な平和実現に努力することで北朝鮮側と「一致した」と述べたが、同筋は「原則的な立場を確認したにとどまった」と話した。
戴国務委員は8、9両日に訪朝し、金総書記のほか姜錫柱副首相と会談。中国の新華社電は、金総書記との会談で、中朝が「重要な共通認識に達した」と報じていた。
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