香芝市の自宅で今年5月、河合町教委職員、芳倉政輝さん(当時52歳)を殺害したとして殺人罪に問われた妻美鈴被告(52)の裁判員裁判は9日、奈良地裁(橋本一裁判長)で被告人質問があった。
美鈴被告は「生き残ってしまい申し訳ない。でも、子供たちの『ゆっくり眠れるようになった』という一言が聞けてうれしかった」と涙声で述べた。犯行に至った経緯については、泥酔した政輝さんを介抱している際に「こんな毎日が続くのかと思うと惨めで情けなくて、(結婚生活の)29年の嫌なこと全部を思い出した」と説明した。
裁判員の1人は「一時的な衝動や感情で(殺害)したのか」と質問。美鈴被告は「今だったら一緒に死ねると思った。衝動ではない」と述べた。
起訴状によると、美鈴被告は5月17日午前0時ごろ、香芝市平野の自宅で政輝さんの首をタオルで絞めて殺害したとされる。判決は13日。【岡奈津希】
毎日新聞 2010年12月10日 地方版