2010年12月14日22時14分
【ワシントン=勝田敏彦】米航空宇宙局(NASA)は13日、1977年に打ち上げられた惑星探査機ボイジャー1号が、あと4年で太陽系を脱出するという見通しを発表した。
ボイジャー1号は現在、冥王星の軌道半径の3倍程度の遠さに当たる太陽から174億キロの位置を飛行中。これまで太陽から噴き出す高速の荷電粒子の流れ「太陽風」の速度が落ちて弱まっているのを観測してきたが、今年6月、太陽風の速度がついにゼロになった。
今後、太陽風に由来する高温の粒子の数自体が減り、太陽の影響が星間物質などの影響と見分けられなくなる「ヘリオポーズ」と呼ばれる領域に達すると、実質的に太陽系外に出る。NASAの計算によると、4年後になる予定だ。
ボイジャーは、77年8月と9月相次いで2機が打ち上げられたが、軌道の都合で、9月に打ち上げられた1号が人工物としては最も遠方の位置にいる。2号も数年後には太陽風速度ゼロを観測するとみられている。