中国:大規模な反日デモ 日系店で投石被害…尖閣抗議

2010年10月16日 19時36分 更新:10月17日 1時2分

河南省鄭州市で、プラカードを掲げて行進する男性=AP
河南省鄭州市で、プラカードを掲げて行進する男性=AP

 【成都・浦松丈二、上海・鈴木玲子】中国四川省成都など3都市で16日、沖縄県・尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件に抗議する大規模な反日デモが起きた。国営新華社通信によると、成都のデモには2000人以上、陝西省西安でも7000人以上が参加した。河南省鄭州でも行われたが、人数は不明だ。中国での大規模な反日デモは05年春以来。北京の日本大使館によると、邦人にけがなどの被害情報はない。

 東京の中国大使館前では同日、約2800人が中国への抗議デモを行った。中国ではネット上で数日前から、東京のデモ計画への対抗デモ実施が呼び掛けられていた。

 デモ参加者らによると、成都では中心部のイトーヨーカドー春熙店前に同日午後2時(日本時間同3時)ごろから、若者ら数千人が集まった。デモ隊は「打倒日本」「日本製品ボイコット」などと書かれた横断幕を広げてシュプレヒコールを上げた。その後、警備の警官隊ともみあいになる中で、同店に向かって石やレンガが投げつけられ、窓ガラスが割れるなどの被害が出た。同店と隣接する成都伊勢丹の両店は、店内の客を退避させて閉店した。デモ参加者は、ヨーカドー周辺の複数の日本料理店も襲撃したと話している。

 デモ隊は同日夜までに解散したが、割れた窓ガラスは深夜になっても路上に散乱していた。ヨーカドー春熙店の前には「臨時休業」との立て看板が出され、周囲を警察官が封鎖している。普段の週末は午後11時までの営業なので時折買い物客が訪れるものの、デモ発生の説明を聞いて立ち去っていた。

 ヨーカドー春熙店は成都での日系企業のシンボル的存在。05年春に中国各地で反日デモが行われた際にも、窓ガラスを割られる被害を最初に受けている。

 新華社によると、西安では学生ら7000人が日の丸を燃やしたり、スポーツ用品のミズノの現地店になだれ込み、鄭州では学生らが街頭で「釣魚島(尖閣諸島の中国名)を守れ」などと声を上げた。北京の日本大使館によると、西安では日本料理店の窓ガラスも割られる被害が出た。

 日本大使館は同日、在留邦人の安全確保と日系企業の正常な経済活動の確保を中国外務省に強く要請した。

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