2010年10月16日 10時58分 更新:10月16日 12時54分
再拡張事業による新国際線ターミナルと新滑走路(D滑走路)などの供用開始を控えた羽田空港(東京都大田区)で16日午前、馬淵澄夫国土交通相らが出席し、記念式典が開かれた。供用開始の21日からソウル、北京、上海、香港への現行国際定期チャーター便による新ターミナル使用が始まり、接続する京急電鉄と東京モノレールの新駅も開業する。
31日からは、02年の台湾の航空会社撤退以来となる国際定期便が再開され、シンガポールやバンコクなどアジア各地のほか、パリやサンフランシスコへの欧米線など世界11の国・地域17都市へのフライトが来春までに順次開始される。
式典で馬淵国交相は「24時間稼働可能な拠点空港として、ヒト・モノ・カネを呼び込む原動力にしたい」とあいさつ。続いて石原慎太郎都知事が、再拡張の事業化に際し、国交省から調査費を獲得したやり取りなどを披露したうえで、発着枠拡大に乗り出した最近の成田空港の動きに触れ、「成田(空港)も重い腰を上げたが、満足してはいけない。航空行政を総括し、日本の空、首都圏の空を完ぺきなものにしよう」と呼びかけた。
また、式典終了後の祝賀会に参加した菅直人首相は「20年間の低迷をはね返す新たな成長のきっかけとして、より安全で世界に開かれた日本の大きな窓口になってほしい」と述べた。
再開発事業は、旅客・貨物需要に応えるため、空港の発着容量を約48%拡大するもので07年3月に着工。多摩川の流れをせき止めぬよう3分の1を桟橋方式とした約2500メートルのD滑走路や、高さ約117メートルの新管制塔のほか、江戸の町並みの再現など娯楽性も追求した5階建ての国際線ターミナルや貨物ターミナルも新設した。約9000億円とされた総事業費は1兆円程度に達する見込み。【本多健】