予算削減 国道ゴミに苦情増加
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予算削減 国道ゴミに苦情増加

12月11日 22時21分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

去年の政府の事業仕分けでムダが多いと指摘されたのを受けて、今年度から国道の清掃などを行う予算が削減されましたが、最近「国道や歩道にゴミが散らかっている」という苦情が大幅に増えており、国土交通省はマナーの向上を呼びかけています。

国道の清掃などを行うための予算は、去年の政府の事業仕分けでムダが多いと指摘されたのを受けて、今年度は10%削減されましたが、国土交通省は清掃を効率的に行うとして、歩道の清掃を原則としてやめたり、国道の清掃も大幅に減らしたりしました。ところが、今年度に入って歩行者やドライバーから「国道や歩道にゴミが散らかっている」などという苦情や要望が相次ぐようになり、東京23区を管轄する東京国道事務所の場合、ことし4月からの半年間で、ゴミに関する電話や電子メールが去年の同じ時期の4倍になっているということです。東京国道事務所では、10月から地域のボランティアグループにも協力してもらって、職員が歩道などの清掃活動を始めましたが、月に1回協力してもらうのが精いっぱいだとしています。東京国道事務所の浜谷恒平課長は「不法投棄の家具が邪魔なので処分してほしいといった声が増えている。清掃のレベルは落ちているが、できることをやるしかない」と話しています。歩道橋の利用者は「こんなところまで予算が削られているのは驚きです。道路はきれいなほうがいいです」と話していました。国道の清掃のための予算は来年度も増えない見通しで、国土交通省では、利用者にも道路や歩道にゴミを捨てないというマナーの向上をお願いしたいとしています。国道の維持管理の基準を巡っては、事業仕分けのあと、ゴミの清掃以外の作業にも全国一律の基準が設けられ、雑草などの「除草」作業はこれまでの年間3回が原則1回に、木の枝などの「せんてい」作業は年間1回が原則3年に1回と、それぞれ減りました。東京国道事務所にことし4月からの半年間に寄せられた、除草とせんていに関する苦情や要望は、およそ2倍に増えています。また、降雪地域で今後本格化する除雪作業についても、効率化するため降雪量や交通量の少ないところでは減る見通しで、国土交通省では、作業方法を見直すなどして安全に支障が出ないようつとめることにしています。