民意は民主党を見放しつつある。そんな思いすら抱かせる選挙結果だった。12日に投開票された茨城県議選(定数65)で、民主党は改選前と同じ6議席にとどまった。保守王国の茨城県とはいえ、推薦を含めた24人の候補者のうち、4分の1しか当選できない惨敗を喫した。
来年4月の統一地方選に大きな不安を残したといえ、菅内閣にとってさらなる打撃だ。菅直人首相はこの厳しい結果を深刻に受け止め、態勢を立て直す必要がある。
敗因の一つが、小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題であることは確かだろう。
民主党は13日の役員会で、小沢氏の国会招致問題への対応を岡田克也幹事長に一任した。岡田氏は近く小沢氏と会談し、衆院政治倫理審査会に出席するよう促すとともに、小沢氏が拒否すれば、政倫審での議決により出席を求める方針を伝える。
小沢氏は政治資金規正法違反で強制起訴される予定だが、これまで自らの疑惑について一度も国会で説明していない。司法の判断とは別に、小沢氏には政治的、道義的責任があり、国会で説明するのは当然だ。遅きに失した感は否めないが、世論の批判を受けて、岡田氏ら執行部がようやく重い腰をあげた形である。
ただ、政倫審の議決に強制力はなく、小沢氏が拒めば国会招致はできない。政倫審で議決すれば事足りるというのでは困る。野党側は偽証罪を伴う証人喚問を求めている。小沢氏が政倫審への出席を拒否した場合に、民主党執行部は証人喚問などで国会招致を実現する責任がある。
9月に菅改造内閣が発足してから、民主党は衆院北海道5区の補欠選挙などの主要な選挙で負け続けている。その背景には、小沢氏の政治資金問題だけではなく、尖閣諸島沖の中国漁船の衝突事件の処理をめぐる不手際など、菅内閣の政権運営全般への有権者の強い不満がある。
菅首相が就任して半年過ぎたのに、めぼしい成果は何もない。首相は「今までは仮免許だった」などと悠長に構えている場合ではない。大詰めを迎えている税制改正や予算編成作業で、負担増に反対ばかり唱えている党側を抑えこむなどして指導力を発揮してもらいたい。
小沢氏の国会招致をめぐって、小沢氏を支持する議員らは反発を強めており、党内対立は激しさを増している。こうした民主党内のごたごたに愛想を尽かしたというのが、多くの有権者の偽らざる気持ちだろう。党内抗争に明け暮れる余裕は一時もないはずである。
小沢一郎、岡田克也、菅直人、民主党、茨城惨敗、改選前
| 日経平均(円) | 10,316.77 | +22.88 | 14日 大引 |
|---|---|---|---|
| NYダウ(ドル) | 11,428.56 | +18.24 | 13日 16:30 |
| 英FTSE100 | 5,851.48 | -9.27 | 14日 9:25 |
| ドル/円 | 83.30 - .32 | -0.90円高 | 14日 18:19 |
| ユーロ/円 | 111.95 - .98 | +0.80円安 | 14日 18:19 |
| 長期金利(%) | 1.250 | +0.005 | 14日 16:27 |
| NY原油(ドル) | 88.61 | +0.82 | 13日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載
詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)