東京の教材販売会社が販売した理科の実験で使う金網にアスベストが混入していることが分かり、会社では学校などに呼びかけて製品の自主回収を始めました。
自主回収しているのは、東京・千代田区の教材販売会社「ナリカ」が販売している「セラミック付金網」です。この製品はビーカーなどを火で温めるなど学校の理科の実験で使う金網で、中央部分は火が直接触れないよう白く塗られています。ことし10月に学校に製品を納入している販売店から「原材料を教えてほしい」という問い合わせを受けて会社で調べたところ、「トレモライト」と呼ばれる使用が禁止されているアスベストが検出されました。製品は、平成18年からこれまでに3万8000個が全国の小中学校や高校に納入されたということです。会社によりますと、問題の金網は大阪市の仕入れ業者を通じて中国から輸入したもので、「白い部分はセラミックの成分を使っている」と説明を受けたということで、会社では使用中止と回収を呼びかけています。会社では「品質管理の体制が不十分でご迷惑をかけてしまいおわび申し上げます。適切な方法で速やかに回収を行って対応したい」と話しています。文部科学省でも全国の教育委員会を通して学校に回収に協力するよう呼びかけていますが、通常の使用であれば問題はなく、これまでのところ健康被害などの報告はないということです。