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【コラム】

筆洗

2010年12月14日

 自動車教習所にいい思い出はない。指導員の横柄な態度に不快な思いをしながら、免許が取れるまで忍耐の日々。似たような経験をした人も多いと思うが、最近は教習所も様変わりしたという▼少子化による競争の激化で、悪質な指導員は姿を消しつつあるそうだ。命にかかわる仕事だけに、優しい人ばかりだと逆に心配になるのは不思議である▼初めて「仮免」で公道を走った時、指導員の急ブレーキで事故を免れ、助手席の憎らしい男を頼もしく感じたこともある。本来、仮免期間は早く終わりたいものだが、この人の場合、少し長すぎはしないか▼「今までは仮免許だったが、これからはもっと自分の色を出していきたい」とは菅直人首相の支持者への発言。言いたかったのは後半部分にしても、惨敗した茨城県議選当日の発言としてはあまりに不用意だ▼評判の悪いベテラン指導員に反省の弁を語らせようとしたものの、反対意見の強さに立ち往生…。そう例えられるのがきのうの党の役員会だった。岡田克也幹事長は衆院政治倫理審査会への小沢一郎元代表の出席を議決するよう提案したが、結論は先送りに終わった▼国民不在の分裂騒ぎを恥じない民主党の皆さんに、シェークスピアの歴史劇から言葉を贈りたい。<高慢には必ず墜落がある>。政権を取ったというおごりがいま毒となって、党全体を蝕(むしば)んでいる。

 

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