「日本キラピカ大作戦」

日本キラピカ大作戦

2010年12月14日(火)

ホントに海水からウランが取れた

「わかめ型捕集材」でブレークスルー、レアメタルも対象に

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 ここ数年、化石燃料に比べてエネルギー効率が高く、CO2排出量も約10分の1と少ない原子力発電は急速に見直され始めている。そして、中国やインドを中心に、世界各国で原子力発電所の建設ラッシュが相次いでいる。

 しかし、確認されているウラン埋蔵量の約5割をオーストラリアとカザフスタン、そしてカナダの3カ国が占めており、今後、ウランの争奪戦が激化すると予想される。経済協力開発機構(OECD)と国際原子力機構(IAEA)の共同調査によれば、2015年ごろには深刻なウラン供給不足が発生する可能性があるとの見方もある。

CO2排出量削減に一役

 これまで日本はウランを全量輸入に頼ってきた。その一部を日本の領海から採取できれば、資源国のカントリーリスクや資源政策、さらに資源の枯渇に対する不安を回避することができる。

 「海水中のウランが合理的な価格で捕集でき、原子力発電所の燃料として利用できるようになれば、長期にわたってCO2削減への対応が可能となる。課題解決に向け今後も地道に研究開発に取り組んでいきたい」。こう瀬古氏は力強く語る。




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著者プロフィール

山田 久美(やまだ・くみ)

 フリーライター。都市銀行システム開発部を経てフリーに転身。月刊誌やウェブサイトでハードウエア、ソフトウエアのレビュー、IT関連の記事を多数執筆。2005年3月に技術経営(MOT)修士取得。現在はサイエンス&テクノロジー関連、技術経営関連の記事を中心に、執筆活動を行っている。研究者の研究内容を聞くのが最もワクワクする時間。希望ある未来社会を実現するためのサイエンス&テクノロジーの追求をライフワークにしている。Twitterアカウントはこちら


このコラムについて

日本キラピカ大作戦

 日本はCO2排出量の削減や高齢化、需要不足など、大きな課題に直面している。そのため、日本全体に閉塞感が漂い、希望ある未来社会が描きづらくなっている。しかし、これらの課題はいずれ世界のすべての国が直面するものでもあり、今の日本を「課題先進国」と位置づけることもできる。
 「これは日本にとって千載一遇のチャンスである」と言う東京大学総長室顧問で三菱総合研究所理事長の小宮山宏氏のインタビューを皮切りに、日本が世界をリードできる技術の最先端や“産声”を追う。エコ、スマート、シルバー…。日本にはサステナブルな社会を実現するためのピカイチ技術がたくさんある。これを存分に生かして、キラキラと輝く未来を創り出そう。

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