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【社会】

伝説のすり、ついに観念… 稼業半世紀

2010年12月7日 朝刊

 半世紀以上にわたって電車内のフックに掛けられた上着のポケットから財布を抜き取る「ブランコすり」を得意とし、常習累犯窃盗罪に問われた韓国籍の無職金寿一被告(82)が6日、東京地裁(山口裕之裁判官)の初公判で起訴内容を認め「もうできません。全然駄目ですわ。(体が)きついですわ」と述べた。

 被告はこれまで計11回服役。プロ野球阪神タイガースの下柳剛投手も被害に遭ったことがあり、捜査員から「金さん」と呼ばれるほど伝説化していた。

 検察側が「職業的な犯行で盗癖は根深く、再犯は必至」と懲役6年を求刑し即日結審。判決は14日。

 被告の供述によると、16歳だった1945年の神戸大空襲で家族を亡くし孤独の身に。終戦を迎え上京し闇米の担ぎ役をする中、友人に誘われ「ブランコすり」を始めた。

 ほかの手口と比べ体を動かさなくて済んだことが半世紀以上続いた主な理由という。

 

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