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すき家:団交拒否で東京地裁に提訴

 牛丼チェーン「すき家」を運営する外食大手「ゼンショー」(東京都港区)が労働組合の団体交渉を拒否し、中央労働委員会による不当労働行為の救済命令にも応じないのは労働者の権利侵害に当たるなどとして、首都圏青年ユニオンと組合員の福岡淳子さん(43)が13日、同社を相手取り、損害賠償など362万円の支払いを求め東京地裁に提訴した。

 訴状によると、同社は06年7月から、アルバイトの解雇撤回や時間外手当の支給を求め「すき家」の従業員が加入した同労組との団交に応じ、一定の労働環境改善を進めた。ところが、同社は07年2月になって突然、団交を拒否。中央労働委員会などが同労組の申し立てを受け、団交を行うよう命じたが、応じていないという。

 同労組は「問題解決が遅れるだけでなく、他の労働者も組合への加入が不利益になると考え、団結権の行使を断念せざるを得なくなる」などとして、団交の遅れによって必要になった組合活動のための交通費など300万円の支払いを求めた。

 福岡さんは、勤務する仙台泉店で売上金の紛失を巡って不当な疑いをかけられて降格させられたとして、降格前の賃金との差額62万円を請求した。

 代理人の笹山尚人弁護士は「中労委の命令を無視して話し合いのテーブルにも着かないという姿勢は異例。組合の弱体化目的以外の何ものでもない」と話している。

 ゼンショーは「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。【市川明代】

毎日新聞 2010年12月13日 20時45分

 
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