死刑求刑で無罪 極めて異例
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死刑求刑で無罪 極めて異例

12月10日 11時30分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

鹿児島市でお年寄りの夫婦が殺害された事件で、鹿児島地方裁判所は、死刑を求刑された被告に対し「真相解明のために十分な捜査が行われたのか疑問で、犯人とは認められない」と指摘し、無罪を言い渡しました。検察が死刑を求刑した裁判で無罪が言い渡されるのは、極めて異例です。

最高裁判所によりますと、記録が残っている昭和50年以降、検察が死刑を求刑した裁判の1審で無罪が言い渡されたのは、これまでに4件しかありません。このうち平成元年に佐賀県で女性3人が遺体で見つかったいわゆる「北方事件」では、元被告が犯行を認めた上申書は長時間の取り調べで作られた違法な証拠だとして、無罪が言い渡され、確定しました。また平成12年に富山県の暴力団組長と妻が射殺された事件では「元被告に犯行を依頼された」という人物の供述は、責任逃れのためのうそだった疑いがあるとして無罪となり、確定しました。平成13年に広島市で家族3人を殺害し保険金をだましとったとして元会社員が起訴された裁判は、1審と2審で無罪が言い渡され、検察が上告しています。死刑が求刑されるような重大な事件で、警察や検察は慎重に捜査を進める傾向がありますが、これらの事件はいずれも有罪を裏付ける証拠が乏しいなかで検察が起訴に踏み切ったものでした。