【萬物相】1日5時間睡眠の高校3年生
今年5月15日の先生の日、高2の息子が通う学校の教室に招待され、進路について話をする機会があった。10分ほど話していると、約半数の生徒が机の上に伏せて寝ているではないか。夜、息子に「ちょっとひどすぎるのではないか」と抗議した。すると「あれくらいならかなりましな方だよ」と言う。普段の授業では、もっと多くの生徒が寝ているという。
統計庁の調査で、高3の生徒は1日平均5時間24分眠り、11時間3分勉強していることが分かった。夜それしか寝ていないと、昼間に睡眠を補充しなくてはならないだろう。授業時間に無理に起きていたとしても、どれだけ集中できるか疑問だ。
人は眠りながら、起きていた間に脳に入力された情報のうち、必要のない情報を消し、必要な情報を整理して長期記憶を担当する部位に蓄積するという。この作業は、眼球が素早く動きながら眠る、いわゆる「レム睡眠」の間に集中的に行うという。つまり、脳があすの活動のために情報を再構成しておくということだ。しっかり睡眠を取った子どもたちは、睡眠不足の子どもたちより数学の問題を3倍早く解くという論文が、科学誌『ネイチャー』に掲載されたこともある。
青少年は多くの睡眠を必要とする。毎日新しい世界を経験するため、しっかり睡眠を取り、新たに入手した情報を頭の中で分類し、整理しなくてはならないためだ。高齢者の脳には、すでに多くの情報が蓄積されている。高齢者の睡眠時間が短い理由は、新たな経験を整理する上で、必要な時間が少ないためだという。そうはいっても、適切な睡眠時間がどれほどなのか、人によって差がある。エジソンは睡眠時間が少ないことで有名だったし、アインシュタインは1日10時間以上眠った。
江原道横城郡の民族史観高校を訪れた際、寄宿舎の生徒たちの各机に、電池式の電気スタンドが置かれていた。学校で、午前1時には強制的に消灯となるため、電気スタンドの明かりで勉強するという。また、今年秋から2番目の子が、米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクール(経営学部)に入学した人を知っている。話を聞いてみると、現地では学生たちが1日3、4時間も寝ずに勉強しているという。韓国の子どもたちは高校時代に徹夜しながら勉強するが、米国では、大学に入ってから徹夜で勉強する。どちらが後に真の勝者になれるだろうか。
韓三熙(ハン・サムヒ)論説委員