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敷地緑化で建ぺい率緩和 建て替え促進へ新基準 大阪府

 ヒートアイランド対策などのため、都市緑化を進める大阪府が、建て替えに伴い、民有地に新たに木を植えるなどの緑化策をとった場合、建ぺい率や容積率の規制緩和を実施し、より大きな建物の建築を可能にする方針を固めたことが9日分かった。緩和にあたっては、緑化の程度を示す新指標「緑視率」を設定し、判定する全国初の仕組みを導入する予定で、詳しい制度内容などが検討されている。

 緑化が進めばヒートアイランド対策にもなるほか、建て替え促進にもなるとして、橋下徹知事も「空間を価値に変えることができる」と期待を寄せている。

 建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合で、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合。これらが規制緩和されると、同じ敷地に、より大きな建物が建築できるようになる。

 大阪府によると、密集地の古い建物などは「建て替えをすると、建ぺい率や容積率が減少する」などとして、建物自体が老朽化しても建て替えを渋るケースもあったといい、防災上の課題にもなっていたという。

 緑視率は、植え込む樹木ごとに換算値を設定し、その種類や本数などを数値化。一定の基準以上の緑化を行うと、規制が緩和される仕組みを検討している。 幹線道路の沿道を中心にエリアを指定。平成22年度中に促進地域を決め、23年度から順次導入することにしている。

 大阪府ではこれまで、1千平方メートル以上の建築物を増改築する場合には、空地の25%を緑化することなどを条例で義務化するなどして、緑地確保を目指してきた。今回は、こうした対策に加え、民有地の規制緩和で、徐々に緑地を増やしていく誘導策としての狙いがあるという。

 担当者は「建て替えごとに緑地を増やす試みで、実際に街に緑が増えるまでには時間もかかるが、長期的な視点でも、緑化対策を考えたい」と話している。

「みどりの街」後押し
 
 大阪府の緑化施策は「みどりの風を感じる大阪づくり」がキーワード。複数の緑化施策を組み合わせ、低炭素社会への貢献やヒートアイランド対策などを目的にしている。

 平成23年度予算でも重点事業として、取り組みを進める予定で、これまで行ってきた学校の校庭芝生化をさらに進めるほか、中之島のにぎわいの森づくり、都市農業参入サポートといった取り組みを行う方針。

 JR大阪駅北側で計画されているサッカースタジアム構想をめぐっては橋下知事は「ぼくは森にしたい」と表明。緑化策を行うことを求めており、「淀川から中之島までの間を屋上緑化を含めて緑のベルト地帯にしたい」とするプランも披露している。

 サッカーワールドカップの日本落選が決まったこともあり、橋下知事は「スタジアムはもういらない。今度は堂々と知事として反対を表明していく」と発言している。
 

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