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白浜被告が会見「ぬれぎぬ晴らせうれしい」
去年、鹿児島市で高齢の夫婦が殺害された強盗殺人事件の裁判員裁判で、鹿児島地裁は10日、一貫して犯行を否認していた白浜政広被告(71)に対し、無罪判決を言い渡した。死刑が求刑された裁判員裁判で無罪判決が言い渡されたのは全国で初めて。白浜被告は「ぬれぎぬを晴らせうれしい」と気持ちを語った。
この裁判は、去年、鹿児島市の民家に強盗目的で侵入し、この家に住む蔵ノ下忠さん(当時91)と妻・ハツエさん(当時87)をスコップで殴って殺害したとして、白浜被告が強盗殺人などの罪に問われていたもの。「事件現場には一度たりとも行ったことはない」と無罪を主張している白浜被告が犯人かどうかが、最大の争点だった。
10日の判決公判で、鹿児島地裁・平島正道裁判長は、白浜被告のものと一致した細胞片のDNA型や、物色された形跡のあるタンスについた指紋について、鑑定結果は信用できるとした。しかし、「白浜被告が過去に現場に立ち入り、タンスなどに触った事実が認められるにすぎず、被告人を犯人であると推認するには遠く及ばない」と指摘。犯行の目的も「金品目的の強盗であったのか自体に疑問が残る」として、無罪判決を言い渡した。
今回、裁判所は「本件程度の状況証拠によって被告人を犯人と認定することは、『疑わしきは被告人の利益に』という原則に照らして許されない」と結論づけた。
無罪判決を受け、白浜被告は弁護士と共に会見に臨み、「おかげさまで無罪判決をいただいた。私のぬれぎぬを晴らすことができ、誠にうれしい気持ち」と語った。
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